判断基準の明確化必要
(前の記事からの続き)
龍谷大学 法科大学院 教授・ 石塚伸一氏の意見です。
日本では 世論の8割が 死刑に賛成と言われるが、
「 現時点で 死刑を廃止することには不安 」 というだけで、
「 絶対に死刑を 維持すべきだ 」 という意見は 少ないのではないか。
人の命を奪う 死刑では、 決して間違いが あってはならない。
逮捕・ 拘置から 裁判, 刑の執行まで、
慎重の上にも 慎重を期す必要があり、 制度維持にはコストがかかる。
日本では その保証をしているとは言えない。
取り調べの可視化が 実現していない中で、
被告に不利な 調書が取られている。
弁護士とコミュニケーションが 取れないまま公判を迎え、
充分な弁護が できているとは言えない。
死刑事件では、 被告が上訴を望まなくても、
最高裁までの審理を 保証する必要がある。
終身刑の議論があるが、 死刑を廃止しないまま 終身刑を導入すれば、
無期懲役の中で 犯情の悪い人が 終身刑になる可能性が高く、
重罰化に 拍車をかける危険がある。
しかし、 死刑を廃止して 終身刑を導入することは 検討に値する。
その場合でも 恩赦などの可能性を残すべきだ。
最近の日本の 死刑判決・執行の現実は、 明らかに 世界の潮流に反している。
死刑選択の幅を狭めるよう、 死刑適用の基準を 明確にすることだ。
日本の法律は、 例えば殺人罪なら
「 死刑または無期、 もしくは5年以上の懲役 」 と刑の幅が広い。
明確な基準なしに、
裁判員裁判で 市民が死刑について 判断することは難しいだろう。
〔 読売新聞より 〕
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