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2009年7月11日 (土)

「マン・オン・ワイヤー」 (2)

 
(前の記事からの続き)

 WTCの外観が 屋上まで完成したとき、

 フィリップたちは 夢を実行に移します。

 ビルに内通する人物を 仲間に引き込み、

 入館証を偽造し、 警備員の目を盗んで 屋上へ向かう。

 最上階で 警備員の巡視に出くわし、

 梁の上で 何時間も身じろぎもせず 身を隠したり。

 そして、 深夜の間に ワイヤーを設営。

( 何十メートルものワイヤーは、

 自重でたわんだり、 揺れたり、 ねじれたりします。

 それを防ぐため、 補助のワイヤーを 取り付けなければなりません。

 通常の綱渡りでは、 主ワイヤーの中央に 2本の細いワイヤーを繋げ、

 その一方の端を 地上に固定するのですが、

 400メートル以上の高さでは それは不可能です。

 そこで WTCの屋上の 別の場所に

 細いワイヤーを 固定することにしましたが、

 映画では それをどうやって設営したのかの 説明がありませんでした。

 主ワイヤーを ピンと張るところの 描写もなくて、

 それがとても残念で 見たかったことです。 )

 やがて 日が昇り、 地上を歩く人が 見上げる遥か上空に、

 綱を渡っている フィリップの姿がありました。

 直ちに逮捕しようとする 警官の目の前で、

 悠々と 綱を8往復もする フィリップの姿は痛快です。

 その警官自身、 内心では感動しているのです。

 もちろんこれは 犯罪に間違いありません。

 でも卑劣ではないし、 誰も傷つけず、 むしろ夢を与える。

 綱渡りをするという たったそれだけの筋立ての映画が、

 観る者を 引き付けてやまない所以でしょう。

 アカデミー賞はじめ、 英米の映画賞を 総なめにしたのでした。

「 何故 あんなことをしたのか? 」

 必ず聞かれる質問に、 フィリップは いつもこう答えます。

「 理由なんてない 」
 

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