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2011年12月29日 (木)

下着姿の身体検査、免除 -- 矯正の現場 (4)

 
 「検身所」 と呼ばれる部屋で、 受刑者が毎日受ける 身体検査は、

 元参院議員の受刑者にとって 耐えがたい屈辱でした。

 下着1枚になって 両手を挙げ、 立ったままぐるっと回ります。

 刑務官が  「よしっ」 と声を上げます。

 パンツの中を 見られることもありました。

 受刑者は 服役態度や更生意欲によって 分類されます。

 高い評価を受けた者は、

 手紙を出せる回数が増えたり、 監視が緩やかになる 優遇措置が取られます。

 「屈辱から逃れるためにも、 規律に従い、 労役に真剣に取り組もう」

 元参院議員は そう思ったといいます。

 一般の受刑者は、 隣の人と話すことは許されず、

 トイレに行くにも 刑務官の許可が必要です。

 ところが、 白い腕章をした受刑者は、 普通に話し、 自由に歩き回っています。

 刑務官の補佐役で、 「用務者」 と呼ばれ、

 服役態度が良好な者から 選ばれたのです。

 それを目指す 受刑者もいます。

 受刑施設は 明治時代 「監獄」 と言われ、 過酷な刑を与える場でした。

 1922年に 「刑務所」 に改められ、

 受刑者の改善・ 更生を図る 目的が加わりました。

 受刑者の処遇に 差をつける仕組みは、

 更生の動機付けとして 機能すると言われます。

 ただ、 内心反省していなくても、

 表向き 真面目な態度を示せば 評価が上がるという事態も 懸念されています。

〔 読売新聞より 〕
 

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2011年12月28日 (水)

矯正か管理か -- 矯正の現場 (3)

 
(前の記事からの続き)

 「刑務所は 矯正教育の場なのか、 それとも危険な犯罪者を 厳しく管理する所なのか。

 刑務官はみな悩んでいる」

 長期刑の再犯者を収容する 旭川刑務所の、 処遇部長はそう言います。

 別の刑務官は、 受刑者に暴行を受けた経験から こう言い切ります。

 「長期刑の受刑者は 目標を見失いやすい。

 刑務所の役割は 彼らを社会から隔絶すること」

 妻を殺害され、 自らも刺された被害者は、

 加害者の現況を 半年ごとに検察庁から通知されます。

 「更生に向かっている 様子は読み取れない。

 彼が変わらぬまま出所したら、 また狙われるのではないか」

 加害者の刑期終了まで2年半。

 「再犯をしないよう、 人間らしい気持ちを取り戻させる 教育を望みたい」

〔 読売新聞より 〕
 

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2011年12月27日 (火)

無期囚10年目の反省 -- 矯正の現場 (2)

 
 旭川刑務所で 30回目の冬を迎える 無期懲役囚の男性は、

 金欲しさに 顔見知りの女子高生を絞殺しました。

 毎晩寝る前に、 被害者遺族のいる方角に向かって 正座し、

 「ご冥福をお祈りします」 と唱えます。

 入所当初は、 先が長すぎて 何をしたらいいか分からず、

 毎日を 惰性で過ごしていたといいます。

 同房者が  「こんな所に閉じ込められた 俺たちも被害者だ」 と語るのを聞き、

 自分も そう思うようにしたそうです。

 入所から約10年、 男性は図書係になりましたが、

 注意されると すぐ顔色を変え、 口をとがらせていました。

 指導役の刑務官は、 彼が 被害者のことを忘れてしまっている と感じました。

 「自分の家族が 殺されたと考えてみろ。

 加害者を許せるのか」

 刑務官は何度も問いかけました。

 多くの受刑者は 事件を振り返るとき、

 「自分にとって 損になることをしてしまった」 と、 自分本位の後悔しかしません。

 彼もそうでした。

 男性は独房に移り、 消灯後の2時間、 天井を見ながら考えました。

 離縁した幼い娘が 被害者と同じように殺されたら……。

 殺した女子高生の 悲鳴が聞こえてきました。

 「自分は許されるわけがない。

 本当は命で償うべきでした」

 男性は 次第に顔の表情が 穏やかになっていきました。

 それから20年近く、 反則行為は1度もありません。

 刑務官は語ります。

 「彼は変わることができた。

 ただ、 彼のようなケースは 極めて稀です」

〔 読売新聞より 〕

(次の記事に続く)
 

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2011年12月26日 (月)

暴動なぜ起きたのか -- 矯正の現場 (1)

 
 刑務所で過ごす受刑者に、 贖罪の意識は芽生えるのか、

 刑罰の意味を考えていきます。

 2007年、 徳島刑務所の作業工場で 非常ベルが鳴りました。

 作業をしていた 受刑者63人の約半数が暴れ、

 刑務官を殴ったり 倉庫に閉じ込めようと殺到し、 はさみを突きつけたりしました。

 刑務官4人が負傷し、 受刑者17人が 傷害罪などで実刑判決を受けました。

 元刑務官は  「前兆はあった」 と言います。

 徳島刑務所は 長期刑の再犯者ばかりを収容しています。

 受刑者数は 収容定員を大幅に超え、 暴力団関係者が56%に上りました。

 工場で 勝手に席を立ったり、 私語を交わしたりする者が増えて、

 空気が乱れ始めていました。

 受刑者の間で ガテ (メモ書きの密書) が横行し、

 指導を厳しくした結果、 受刑者の不満が高まり、 暴動に至ったというのです。

 一方、 視察委員会の委員長は 別の見方を示します。

 医務課長の医療行為に問題がある という訴えが相次いでおり、

 不適切な医療への反発だったといいます。

 委員長は 暴動の半年前、 受刑者たちと面会したときの印象を こう語っています。

 「罪と向き合い、 更生の意欲を示す受刑者は 一人もいなかった。」

 また 「犯罪被害者の会」 の会員は、

 溶接などの作業を 無表情でこなす受刑者たちの姿を 目にしました。

 倫理面の教育はどうしているのかと 職員に質問すると、 返ってきた答。

 「特にやっていません。」

〔 読売新聞より 〕

(次の記事に続く)
 

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2011年12月23日 (金)

顎が強くて 麻酔が効かない

 
 昔に治療した歯が 痛むようになって、 歯医者に行きました。

 神経が傷んでいるので、 神経を取って 手当てしなければならないとのこと。

 そこで麻酔をしたのですが、 これがなかなか効きません。

 以前のカルテを見ると、 その時も効きにくかったと 書いてありました。

 そもそも麻酔というのは、 歯茎に注射をしますが、 そこから顎の骨に 薬が浸透し、

 顎の骨から歯の神経に 薬が伝わっていって、 効くのだということです。

 ところが 顎の骨ががっちりしていると、 薬が浸透しにくく、

 麻酔が効きにくい人が いるというのです。

 僕は割と えらが張っていて、 顎の力は強いです。

 大分以前、 噛む力を計ったことがあり、

 正確な数字は忘れましたが、 平均の2倍か3倍 あったかもしれません。

 とにかく係の人は すっかり驚いていました。

 (でも歯は強くなくて、 この時の測定は 金属の器具を歯で噛んで 計ったのですが、

 それで 歯を痛めてしまいました。 (・_・;)

 それに ほとんどの歯は虫歯です。)

 若い時より 骨密度は結構落ちているはずですが、

 歯医者で 普通の何倍か麻酔を注入しても、 なかなか効きませんでした。

 そして 最後の手段として、 顎の骨から 薬を浸透させるのではなく、

 歯の神経に直接 麻酔をかける方法になりました。

 どうするのかといえば、 歯に被せてある 金属を外して、

 歯を上から削って 穴を開け、 神経を露出させて、 そこから麻酔薬を付けるのです。

 そこまでやる人も いないことはないという話です。

 しかし 神経の所まで 歯に穴を開ける瞬間が、 一番痛い。 (>_<)

 でもまあ、 何とか我慢できる痛さでした。 (- -;)

 その後は麻酔はよく効き、 無痛で神経を抜くことができました。

 先生も看護士さんも とても気を遣ってくれ、 説明も丁寧にしてくれました。

 立派な顎のために 難儀した一幕でした。
 

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2011年12月21日 (水)

心子のお母さんの最期

 
 心子のお母さんの最期のことが 何か分かるかと、 実家の方へ行ってみました。

 ここへは、 心子が旅立った直後、

 沢ちゃんに案内されて一度だけ、 家の外まで行ったきりでした。

 きのうの沢ちゃんとの電話で、 立て替えの話を聞いていましたが、

 全く新しい家になっており、 周囲の様子も 記憶とは全く異なっていました。

(大きかった敷地内にマンション, 向かいにはグループホームもできていました。)

 隣の家のインターホンを押して 事情を話すと、

 すぐに出てきてくれて、 色々お話ししてくれました。

 やはりお母さんは 入院したまま退院せず、 病院で亡くなったということです。

 葬儀は ごく近親者だけで行なわれ、

 隣の人は 半月後に連絡を受けて、 お線香を上げさせてもらったそうです。

 隣県に住む お母さんのお姉さんが、

 今も時々この家に来て 空気を入れ換えたりしているとのこと。

 すぐ近くにあるという 本家を教えてくれたので、 そちらも尋ねました。

 お母さんのお義姉さんが やはりすぐに出てきて、 親切に話を聞かせてくれました。

 お母さんから 僕のことも聞いていたそうです。

 お母さんは元々 透析をしていて、 心臓も悪かったのですが、

 お義姉さんが食事を持って行ったり、 ヘルパーに来てもらったりしていました。

 今年2月に 下血して入院し、 お兄さん夫婦が面倒を見ていたとのこと。

 足も良くなく、 肺に腫瘍も見つかり、 最期は 脳梗塞だったということです。

 全身の状態が 悪くなっていったのでしょう。

 お母さん本人も周囲も 自然な死を望み、

 肺の手術や 無駄な延命治療はしませんでした。

 意識ははっきりしていて コミュニケーションも取れ、

 最期は穏やかに、 全く苦しむこともなく逝ったと……。

 それを聞いて、 胸をなで下ろした次第です。

 今日はもう一度 お墓参りにも行ってきました。

 これでやっと 心子の家族はそろって、 天国で顔を合わせることができました。

 今生では 確執や苛烈なことが多くありましたが、

 今は平穏に、 家族の愛情に包まれていることでしょう。

 心子たちの笑顔が見えます。
 

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2011年12月20日 (火)

沢ちゃんと電話がつながった

 
 「境界に生きた心子」 の中に  「沢ちゃん」 の名前で出てきた、

 心子との共通の友だちに、

 心子のお母さんが亡くなったことで 連絡をしました。

 けれども もう何年かご無沙汰していたので、

 アドレスは変わっていて メールは返送されてきたし、

 携帯電話には 訳の分からないおばあさんが出てきて 全然話が通じないし、

 固定電話はずっと留守電だし。

 でもやっと 家電がつながりました。

 以前とちっとも変わらない 話しぶりでした。

 沢ちゃんは 心子のお母さんが 亡くなったこと自体は、 承知していませんでした。

 しかし 家がすぐ近くなので、 時折お母さんに会っていたそうです。

 1年ほど前か、 お母さんが入院するという 話までは知っていましたが、

 その後は 音沙汰がなかったということです。

 沢ちゃんが 心子の家の前を通っても、 いつも留守の様子だったと。

 従って沢ちゃんは、 お母さんがどうして逝ったのかは 知りませんでした。

 お母さんは 親族に見送られたのだろうと思われますが、

 沢ちゃんも僕も 親族とは全くつながりがないので、 死亡の連絡もありませんでした。

 ただ お母さんと沢ちゃんは、 年に何回かは 会って話をし、

 しまいには 親戚のような間柄だったそうです。

 世間話や昔話に花を咲かせ、 深夜まで話したこともあるとか。

 心子の旅立ちが 話題に上ることも。

 心子とお母さんは トラブルが絶えず、

 お母さんも 感情が高ぶることがままありましたが、

 最後のお母さんは とても穏やかな 日々だったということです。

 お母さんの 最後の平安だったかもしれず、 それを聞いて 安堵する気持ちです。

 心子とお母さんは 今は高い所で、 本当に幸せなときを 過ごしていることでしょう。
 

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2011年12月18日 (日)

心子のお母さんが 心子の許へ

 
 きのう17日、 心子の月命日、 いつものようにお墓参りに行きました。

 供えられた花の手入れなどをし、 墓石に水をかけて 手を合わせると、

 ふと、 うしろの墓碑銘が 増えているのに気付きました。

 戒名の中に、 心子の母親の 名前の一文字が入っています。

 『もしかして お母さんが …… ?』

 お母さんは以前から 大分体調を悪くしていて、 独り暮らしでした。

 墓碑銘の日付は 11月16日、 享年82才となっています。

 先月 僕は都合で 10日に墓参に来たので、 その後ということになります。

 ただ、 新しい塔婆はありませんでした。

 孤独死ではなかったのだろうか、 葬儀は取り行われたのだろうか、

 など気がかりです。

 霊園に聞いてみると、 やはり 心子のお母さんが 亡くなっていました。

 ここは石材店なので 詳しい事情は分からないということですが、

 11月19日に納骨されたと 教えてくれました。

 葬儀についても分かりませんが、 催されても 塔婆を立てない場合もあるそうです。

 お墓の継承者は 親族の人になっているとのこと。

 親族によって葬送されたのではないかと 推測されます。

 逝去した3日後に納骨されているので、

 孤独死で発見が遅れた ということはなさそうです。

 (でも多分 遺骨の引き取り手がなくて、

 四十九日を待たずに 納骨されたのでしょう。)

 持病のために 入院していたかどうかは不明ですが、

 恐らく 誰かに看取られての 最期だったのではないでしょうか。

 そう思うと 少し安心しますが、 どのような事情で 永眠されたのかは分かりません。

 主のいなくなった家が どうなっているかも気になります。

 今度、 心子の家の方へ 行ってみようかとも思います。
 

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2011年12月17日 (土)

抗精神病薬 -- BPDの薬物療法

 
(前の記事からの続き)

 精神病症状は幻覚や妄想などで、

 不自然な考えや信念を持つ BPDの人に効果があるものもあります。

 第一世代抗精神病薬, 第二世代抗精神病薬がありますが、

 前者は副作用の関係で BPDには投与されていません。

 第二世代抗精神病薬には、

 リスパダール, ジプレキサ, クロザリルなどがあります。

 副作用は、 倦怠感, 低血圧, 体重増加, 心臓の活動の変化などです。

 重い副作用としては、

 顔などの不随意運動, 体温上昇, 血圧の変化, 意識変容などがあります。

 抗精神病薬は 脳のドーパミン受容体を阻害し、

 ドーパミンの働きを 抑えると言われます。

 精神病症状がないBPDに 効果があるかは不明ですが、

 体重増加などの 重い副作用が認められています。

                   *

 以前 治療者は、

 BPDの症状によって 薬を使い分けるのが ベストだと思っていました。

 けれども今は、 気分安定薬でも 抗精神病薬でも 抗うつ薬でも、

 不安定な感情, 怒り, その他の精神症状に 効果を示すことが分かりました。

 脳内の化学成分に 異なる作用をもたらす薬も、

 実際には 様々な感情の問題に 似たような効果を示すのです。

 ただし  「抗BPD薬」 というものはありません。

 心理療法と合わせて受けたほうが 効果的なのです。

 薬物療法が 自分に適しているかどうか、 できるだけ沢山の情報を集め、

 主治医によく相談し、 メリット・ デメリットを 充分に考えあわせ、

 薬が効いているか症状観察記録を取り、

 自分で責任を持って 決めることが求められます。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
 

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2011年12月16日 (金)

気分安定薬 -- BPDの薬物療法

 
(前の記事からの続き)

 気分安定剤は大別して、 炭酸リチウムと抗てんかん薬があります。

・ 炭酸リチウム

 「リチウム」 と言われ、 双極性障害の人に 頻繁に投与されてきました。

 気分が極端に高い状態から 低い状態を 変動するのを抑えてくれます。

 ただ、 BPDに効くという証拠は 少ししかありません。

 一般的な副作用は、 吐き気, 手の震え, 頻尿, 下痢,

 胃のむかつき, 喉の渇き, 食欲減退などです。

 飲み間違えると 毒性を示す潜在性があり、

 ろれつが回らない, 手の震えの増加, 脱力感, 耳鳴り, 嘔吐, かすみ目

 などの副作用があります。

・ 抗てんかん薬

 GABAという 抑制系の神経伝達物質を、 活発にする効果が あるとも言われます。

 ある部分の 脳の動きを遅めたり、 阻害したりします。

 また、 グルタミン酸塩という 興奮性神経伝達物質の動きを 阻む作用もあります。

 脳のある部分が 活動することを妨げます。

 つまり GABAの活動を高め、 グルタミン酸塩の働きを阻害することで、

 気分の変動に関係する 脳の部分の活動を減らし、 気分を安定させるのです。

 テグレトール, ラミクタール, トピナ, ガバベンなどがあります。

 副作用は、 イライラ, 抜け毛, 血小板の減少,

 肝臓毒性, 膵臓炎, 多嚢胞性卵巣症候群などです。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
 

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2011年12月15日 (木)

抗うつ薬 (2) -- BPDの薬物療法

 
(前の記事からの続き)

・ 選択的セロトニン再取り込み阻害 (SSRI)

 三環系抗うつ薬が セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを 阻害するのに対し、

 SSRIは セロトニンの再取り込みのみを阻害します。

 デプロメール, ルボックス, パキシル, ジェイゾロフトなどがあります。

 副作用はさほど強くありませんが、

 吐き気, 下痢, 頭痛, 不安、 睡眠障害, 興奮, 倦怠感, めまい,

 性欲の低下, 震え, 体重の増減などです。

・ モノアミン酸化酵素阻害薬 (MAOI)

 セロトニンとノルアドレナリンは、 モノアミン神経伝達物質に分類されます。

 これが シナプス (ふたつのニューロンの間) に放出されて、

 一定の時間が経つと、 化学物質 (モノアミン酸化酵素) によって 分解され、

 ほかのニューロンに 辿り着けなくなります。

 モノアミン酸化酵素阻害薬は、

 シナプス内の モノアミン酸化酵素を阻害したり、 量を減らしたりするのです。

 日本では エフピーがあります。

 副作用は深刻なものがあり、

 めまい, 心臓の変化, 胃のむかつき, 口の渇き, 便秘, 頭痛などです。

 チラミンというアミノ酸を 含むものを飲食すると、

 ひどい高血圧性危機を起こし、 脳梗塞, 昏睡, 死に至る場合もあります。

 ワイン・ チーズ・ 肉類・ 魚類などのうちの 一部のもの,

 ビール, 豆腐, そら豆などを 飲食してはいけません。

・ 新規抗うつ薬

 新しい抗うつ薬としては、

 リフレックス, レスリン, トラゾドンなどがあります。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
 

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2011年12月14日 (水)

抗うつ薬 (1) -- BPDの薬物療法

 
 心理的な問題は、

 脳の機能と 化学物質(神経伝達物質) によって 生じるとされます。

 脳内の神経細胞 (ニューロン) から 隣のニューロンへ、

 神経伝達物質が伝わることによって、 心理的・ 身体的活動が司られています。

 (ニューロン同士の間にある 隙間をシナプスという。)

 もしニューロンが あまり活発でないとすると、 次の原因が考えられます。

・ 神経伝達物質が少ない

・ 神経伝達物質が ほかのニューロンに結合しない

・ 神経伝達物質が ほかのニューロンへ伝わる前に、 放出された所へ戻ってしまう

 (この過程を 「再取り込み」 という)

 薬物療法は これらの過程に作用するものです。
 

 BPDの人に処方される薬には、

 抗うつ薬, 気分安定剤, 抗精神病薬などがあります。

 まず抗うつ薬は、

 神経伝達物質のセロトニンとノルアドレナリンを 活性化するものです。

 セロトニンは

 気分, 空腹, 体温, 性的行為, 睡眠, 攻撃性をコントロールし、

 ノルアドレナリンは

 敏捷性, 集中力, 攻撃性, 意欲, 自律神経に関わりのあるものです。

 抗うつ薬には、 三環系抗うつ薬, 選択的セロトニン再取り込み阻害薬,

 モノアミン酸化酵素阻害薬, 新規抗うつ薬の 4種類があります。

・ 三環系抗うつ薬 (TCA)

 三環系抗うつ薬は、

 セロトニンとノルアドレナリンの 再取り込みを阻害する働きがあります。

 シナプスのセロトニンとノルアドレナリンが増え、

 他のニューロンを 活発にする作用があるのです。

 アナフラニール, トフラニール, トリプタノール, ノリトレンなどがあります。

 副作用は、

 口の渇き, 疲労感, 尿が出にくい, めまい, 手の震え, 便秘, 吐き気

 などです。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
 

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2011年12月13日 (火)

塩分を控えても 血圧は下がらない? 

 
 血圧が高いと、 塩分を控えるようにと 言われるのは常識です。

 塩分を多く取ると 血液中の塩分濃度が高まり、

 この濃度を正常に保つため 血管に水分が取り込まれます。

 それによって 血管内の圧力 (血圧) が 高くなるのだというメカニズムが、

 ネットに書かれていました。

 僕は 味の濃いものが好きで、 醤油でも何でも たっぷりかけていましたが、

 これを大幅に減らしました。

 (幸い味覚の面で 不自由は全然ありません。)

 上記のメカニズムによると、 塩分を減らせばすぐ 血液の塩分濃度が低下し、

 血圧も低くなる 即効性があると考えられます。

 しかし毎朝毎晩 血圧を計っていても、 そういう様子は 一向に見えません。

 何故なのか 診療所の先生に聞いてみても、 はっきりした説明は聞けませんでした。

 ところが先程、 テレビ (TBS「ひるおび!」) で

 この件についてやっていました。

 上記のメカニズムは 個人差が大きく、

 この仕組みで 血圧が高くなる人、 つまり 「食塩感受性」 が高い人は、

 高血圧の人の 3割しかいないというのです。

 7割の人は 塩分を減らしても 血圧は変わらないということで、

 僕もこの部類だった ということなのでしょう。

 でも だからといって、 塩分をいくら取っても いいかというと、

 決してそんなことはありません。

 塩分を取りすぎると 動脈硬化の原因となり、

 脳卒中や心筋梗塞の リスクが高まったり、

 腎臓にも悪影響があります。

 やはり塩分は 控えるに越したことはないのですね。
 

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2011年12月11日 (日)

メンタライゼーションとBPD

 
(前の記事からの続き)

 BPDは メンタライゼーションの未発達が 原因で生じ、

 それが自我の問題 (特に弱い自我) を 引き起こすとされます。

 BPDの人は 興奮や混乱しているとき、 メンタライゼーションができず、

 心理的等価や見せかけモードを利用して、 自我を保とうとします。

 BPDの人が 衝動的な行動を起こすのは、 自己を守ろうとし、

 「見知らぬ自分」 と折り合いを付けようとする、

 絶望的なことと闘っているからです。

 BPDの人は、 否定的で不快な  「見知らぬ自分」 に圧倒されています。

 「見知らぬ自分」 を罰したり、 壊して もっと一貫した 自我を得るために、

 自傷行為をするのでしょう。

 「見知らぬ自分」 を 追い出そうとする場合は、

 「見知らぬ自分」 を 徹底的に破壊するため、 他者を攻撃することもあります。

 BPDの人が 荒れた人間関係を持つのは、 これが主な理由だといいます。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
 

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2011年12月10日 (土)

MBTを通してみるBPD

 
(前の記事からの続き)

 子供は 自分が何者であるかという感覚を、

 親などの映し出しによって 養っていきます。

 自分が感じていることを 正しく映し出す人が 周りにいることで、

 自分の心理状態を理解し、 描写することを学びます。

 しかし 正確に映し出してくれる人が いないと、

 自分が感じていることについて 学ぶのは困難です。

 例えば 子供が怒っているときに、 母親が子供を笑い、

 脅えているみたいだと言ったら、 子供は混乱し、

 怒りが何かを 理解することが難しくなります。

 非承認的環境の一種です。

 育てる人が、 子供の感じることを理解できず、 または 感情を承認できないと、

 問題が引き起こされます。

 自分が感じていないことを 感じていると言われたら、

 自分の本当の感覚と 一致しない感覚が 発達し始めるかもしれません。

 自分自身が分離している、 もしくは 自分自身が疎外されていると

 感じるようになることがあります。

 四角いものを丸い穴に 無理やり押し込んでいる感じです。

 それを  「見知らぬ自分」 と表現します。

 本当の自分と あまりにも違っているのです。

 「見知らぬ自分」 は、

 子供に対する 養育者の否定的なイメージや、 欲求不満などの感情を

 映し出したものです。

 それは 不快なものなので、

 大抵はそれを消すために できる限りのことをしようとします。

 まず、  「見知らぬ自分」 を 自分の一部と認めて 保持しようとすると、

 自我に統一性がなく バラバラだと感じます。

 他者から映し出された感情なので、 支配されている 不安な気分になります。

 逆に、  「見知らぬ自分」 を取り除くため、

 否定的な感情を外に出すと (投影)、

 今度は外の世界が 自分に否定的な感情を抱いていることになり、

 不快な経験になってしまいます。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕

(次の記事に続く)
 

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2011年12月 9日 (金)

MBTを支える理論

 
(前の記事からの続き)

 メンタライゼーションは 普通、 幼少期に徐々に 学んでいくものです。

 子供は 自分の気持ちや考えを、

 ミラーリング (鏡のように映し出すこと) の過程で 学びます。

 例えば 子供が泣いていると、

 親は 「悲しいの?  どうして悲しいの?」 と聞きます。

 親の質問と 子供への感情の関心によって、 子供の感情は 鏡に映し出され、

 認められ (承認され)、  泣くことは悲しいことを意味すると 理解します。

 感情を表す言葉が 与えられ、

 誰かが 理解や関心を示してくれることを 理解するようになります。

 子供が メンタライゼーションを完全に習得するには、 ふたつの初期段階を踏みます。

 ひとつは 「心理的等価」、 もうひとつは 「見せかけモード」 です。

 「心的等価」 の段階では 子供は、

 他者は自分と同じで、 同じことを感じると 信じています。

 他者や世界を、 自分の直接的な経験の 延長として感じます。

 全てのことが 自分のこととして感じられるので、

 圧倒されてしまうという 問題があります。

 (そのために 次の段階があります。)

 「見せかけモード」 の段階では、

 自分の心理状態は、 外界や自分以外の心理状態と 完全に切り離されます。

 全てのことが 非現実的に感じられます。

 基本的には解離と同じで、 不快で孤独な体験です。

 自分が実際に悲しくなくても、 悲しさがどういうことか 話すようなもので、

 悲しさを 「試着」 することができます。

 メンタライゼーションは、 このふたつの段階の バランスを保ちます。

 自分の世界と外の世界は 繋がっていながら、 別のものでもあるのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕

(次の記事に続く)
 

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2011年12月 7日 (水)

メンタライゼーションに 基づく治療 (MBT)

 
 MBT (メンタライゼーションに基づく治療) は まだあまり知られていませんが、

 将来的に有効な治療として 期待できるものです。

 アンソニー・ ベイトマンと ピーター・ フォナギーが 開発した治療法で、

 弁証法的行動療法に 似た部分もありますが、

 BPDとは何かという点で かなり異なります。

 MBTは、 自分が何者かという  「自我」 に焦点を当てます。

 BPDは、  「自我構造」 の弱さと 不安定な自己,

 自己理解の浅さによる 障害だとしています。

 MBTは 精神分析的治療法であり、

 弁証法的行動療法よりも  「会話療法」 なのです。

 治療者と話をして、 自己理解,

 他者との関係についての理解力 (メンタライゼーショ ン) を 深めていきます。

 メンタライゼーションとは、

 自分や人の行動は 心理状態, 考え, 気持ちや願望から起こる ということを

 理解する能力です。

 それぞれの行動は、 不意や任意に起きるのではなく、

 感情や考えに基づいて 起こるのです。

 BPDの人は、 心理状態がどのように 行動に繋がっているのかを、

 理解するのが困難だということです。

 衝動的に行動するとき 自分の気持ちや考えに 気付けなかったり、

 心理状態と行動の関係が 理解できないでしょう。

 MBTでは、

 他者の行動が どういう心理状態によって起こるかを 理解することも重要です。

 また、 心理状態と行動は 関係はあるけれども別個のものである、

 ということを 理解することも含まれます。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕

(次の記事に続く)
 

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2011年12月 6日 (火)

脱おむつ

 
 多くの介護施設で、 おむつを外す取り組みが 進んでいるそうです。

 負担の大きい排泄介護に 正面から向き合うと、

 介護の質全体が変わってくるといいます。

 A子さん (80) は病院で おむつを付けた 生活を続けるうち、

 尿意や便意が薄れていきました。

 ある特養に入所すると、  「おむつを外しましょう」 と言われ、

 不安を感じましたが、 施設の取り組みによって、

 排尿や排便の感覚が戻り、 1週間でおむつが外れました。

 排泄のパターンを調べたり、 そわそわする仕草などから、

 尿意や便意を読み取ったりし、 トイレでの排泄を繰り返すうちに、

 おむつが不要な人が 出てきます。

 これに加えて 同施設では、 ハイテク機器の活用しました。

 「ノム・ ダス・ ハカル調査」 と呼ぶ 3日間の調査です。

 食事や水分量の他、

 おむつの中や トイレで出した 尿の量や、便の重さを 細かく記録します。

 さらに超音波測定器で、 排尿前と後に 膀胱内の尿量を 48時間連続して記録。

 データを元に、 その人に応じた トイレへの案内時間を決めていきます。

 おむつを外す過程で、 高齢者がベッドから離れることが リハビリになり、

 自尊心も回復します。

 そのことが 職員のやる気にもつながるのです。

 排泄を見直すことで、 高齢者の食事の様子や 表情,仕草に 目が向くようになり、

 利用者との会話も増えました。

 加えて、 年間600百万かかった おむつ代や廃棄費用も 200万に減りました。

 快適性を追求することで 高齢者の意欲が高まり、 感染予防にも繋がります。

 排泄は 尊厳に関わる問題なのです。

〔 読売新聞 「医療ルネッサンス」 より 〕
 

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2011年12月 4日 (日)

例年より遅い 外苑の黄葉

 
 今年は 夏がいつまでも暑く、 秋も暖かかったので、

 神宮外苑銀杏並木の黄葉は 例年より遅めでした。

 去年は 見頃を逸してしまいましたが、 今年は 情報をよく見て行ってきました。

 (運動も兼ねて 今年から自転車で。)

 ある程度 葉が落ちていましたが、

 色づいた銀杏の木の葉が、 日の光を浴びて 黄金色に輝いていました。

 でもまだ 青い木もありましたね。

 やはり 個体差が大きくなっています。

 (もみじも まだ緑色でした。)

 今日は日曜日だったからか、 銀杏並木に挟まれた車道が 車両通行止めになっていて、

 車道も人ごみで溢れていました。

 車道の真ん中に立つと、 銀杏並木の向こう正面に 絵画館を望むことができ、

 いつもは見られない 真正面からのアングルで、

 絵画館と銀杏の景観を 堪能することができました。

 いちょう祭りは 年々盛大になり、

 各地のB級グルメやエスニックなど 露店の看板も華やかです。

 長い行列が できている店もあります。

 外国人の観光客も 多く目に付きました。

 銀杏の見事な黄葉は 近年覚束なくなってきていますが、

 反して 人足やお祭りムードは 高まっているようです。

 そんな光景を、 心子はどんな心境で 見ているでしょうね。
 

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2011年12月 3日 (土)

口から食事の実践 -- 胃ろうを考える (5)

 
 脳出血で倒れたB子さんは 胃ろうを作り、 特養に入所しました。

 当時は寝たきりで、 栄養は全て胃ろうからでした。

 この特養では  「胃ろう外しプロジェクト」 を行なっています。

 日中は ベッドから車椅子に移り、 胃ろうからの水分量も増やして、

 意識や体の状態の 改善を図ります。

 口からの食事は バナナから始めました。

 経口摂取は3年半ぶりのB子さんは、

 もぐもぐと噛んで飲み込み、 誤嚥もありませんでした。

 食べる量を増やし、 今では昼食と夕食は 口から取っています。

 意識がはっきりし、 言葉も出るようになりました。

 他の入所者も 普通の食事を食べられるようになったり、

 胃ろうを外せる見通しが ついたりしました。

 胃ろうを外せるようになるのは、 せいぜい10%とされます。

 でも プロジェクトに取り組んだ 9人全員が、 胃ろうを外せた施設もあります。

 それらの人は、 元々不要な胃ろうだったと 考えられます。

 急病で入院し、 回復に時間がかかりそうだったり、

 認知症があって 食が細かったりという理由で、 作られたケースです。

 前者は 退院時には外せるし、 後者は 元々必要がない場合が 多いといいます。

 胃ろうにすると 重症に見えるため、 外す努力もされないのだということです。

〔 読売新聞 「医療ルネッサンス」 より 〕
 

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2011年12月 2日 (金)

栄養状態から 効果を予測 -- 胃ろうを考える (4)

 
 脳梗塞で 口から食べられなくなり、 点滴をしていた男性 (85) は、

 鼻のチューブから 胃に栄養を補給し、 約1ヶ月後に 栄養状態が向上しました。

 胃ろうにした場合の 全身状態の改善が、 期待できる水準と 判断されました。

 胃ろうにする判断の根拠は、  「予後推定栄養指数」 と呼ばれ、

 元々は がんなどの外科手術に 耐えられるかどうかを予測するものです。

 タンパク質の濃度を示す 血中アルブミン値と、

 体の抵抗力を示す リンパ球から算出します。

 この指数が一定以上だと、 その後の生存期間が 長いことが分かったのです。

 胃ろうを作る前から、

 医師, 看護師, 管理栄養士, 薬剤師などによる チームを作り、

 栄養や水分量を調節し、 言語聴覚士による 嚥下リハビリも行ないました。

 男性は 胃ろうを付けて1ヶ月たたずに 口から少し食べられるようになり、

 退院して 自宅に戻りました。

 今は 刻み食とおかゆを 自分で食べています。

 胃ろうで状態が改善しても、

 いずれは意思疎通ができず、 寝たきりなどになる 可能性があります。

 そうなってからの生存期間は、 胃ろうにしなかった時より長い など、

 胃ろうの短所も 説明することが必要です。

 可能な限り適応を考え、 家族にも納得してもらい、

 「患者や家族を 幸せにする胃ろう」 が望まれます。

 将来食べられなくなった時に どうするか、 医師と相談しておくといいでしょう。

 終末期に食べられなくなり、

 老衰のような形で亡くなっていくのは 自然なことだというのも、 ひとつの認識です。

〔 読売新聞 「医療ルネッサンス」 より 〕
 

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2011年12月 1日 (木)

寝たきり認知症には 効果が薄い -- 胃ろうを考える (3)

 
 胃に直接 栄養を補給する胃ろうは、 栄養状態を改善する効果は 高いとされます。

 鼻から胃に通したチューブや、 血管からの点滴より、

 充分な栄養が取れ、 苦痛が少ない、 口からの食事と併用できる、 などが利点です。

 肺がんで、 誤嚥性肺炎を起こして 入院した女性 (86) は、

 全身が衰弱し、 看取りのために 自宅へ戻りました。

 ところが、 鼻のチューブの栄養によって 状態が改善し、

 入院して胃ろうにしたところ、 床ずれも治り、

 会話もできるようになって 退院したのです。

 自宅で1年以上、 有意義な時間を過ごし、 家族に看取られました。

 胃ろうは 食事の誤嚥も減り、

 長期入院も抑えられるなどの 社会的要因もあって急増。

 現在、 約26万人が使っていると言われます。

 しかし 胃ろうが適切でない ケースもあります。

 鼻のチューブか胃ろうを 使ったあとに亡くなった、

 寝たきり認知症高齢者の調査によると、

 胃ろうなどにしなかった人より 早く亡くなったり、

 肺炎や感染症で死亡する 確率が高くなりました。

 認知症のある寝たきりの人には、 栄養を改善して 延命する効果は薄いうえ、

 亡くなるときは 全身のむくみや肺炎などで 苦しむことが多いのだといいます。

 以前は年に80~90件あった 胃ろうの造設は、

 10年度は50件台になっています。

 欧米では、 「胃ろうに 誤嚥性肺炎の予防効果はない」 というのが 定説です。

〔 読売新聞 「医療ルネッサンス」 より 〕
 

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