2009年7月 9日 (木)

「任侠ヘルパー」 はパクリ?

 
 本日夜10時から フジテレビで、

 草なぎ剛主演のドラマ  「任侠ヘルパー」 が始まりますね。

 極道が介護をするというのは、 僕が書いた企画の パクリか?  (^^;)

 僕が昔に書いた 介護ドラマのストーリーを、 ブログに連載してあります。

 読んでみてください。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41907944.html

 僕のストーリーは、 2000年の介護保険施行の時に書いたもので、

 実在の車椅子社長・ 春山満さんを モデルにしています。

 いずれにしろ 介護は、これからますます 身近なものになるでしょうね。
 

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2009年4月20日 (月)

「車椅子社長の猛烈ケアビジネス」 企画書 (2)

 
(前の記事からの続き)

 しかし美由は、

 現実を知らない 自分の甘さも 思い知らさぜざるを得なかった。

 献身や慈悲だけでは 介護はできない。

 金がなければ 優しさは続かない。

 それが不動の信念だ。

 やがて美由は 不動の内に秘められた 真の人間性や、

 ビジネスの理念というものを 理解していく。

 放埒な車椅子社長・ 不動の姿を通して、

 現実的な 介護に大切なものを 伝えていきたい。

 また美由は、 ヘルパーのフィリピン人 シンシアの的確なスキルに 感嘆する。

 理想と意欲だけでは ケアはできないことに思い至り、

 次第に現場のケアを 身に付けていく。

「 ずぼらでなくちゃ 介護は続かない。 」

 それが シンシアのモットーだ。

 そうして家族もまた 老人への接し方を学び、

 関係が良くなることによって、 老人の状態も良くなっていく。

 そして 親子の愛情も蘇るのだった。

 どんな障害があっても、

 人は 望みや理念を持って 生きていくことができる。

 傷害を抱える不動は 自ら身をもって それを実践している。

 不動は、 車椅子ラグビーという “格闘技” の

 勇猛なアスリートでもある。

 不動は 自分にしかできない 介護のシステムを作ってきた。

 それは 人の善意だけに頼った 画餅ではなく、

 地に足の着いた 現実的な道である。

 そして その底流にあるのは、

 人の人に対する 愛情だということを 描くドラマである。

 暗いことが多い 世の中だが、

 それを乗り越えていく 希望や力を感じ取ってもらいたい。

 -----------------------------------

 以下、 ストーリーは 下記の記事から連載しています。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41907944.html
 

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2009年4月19日 (日)

「車椅子社長の猛烈ケアビジネス」 企画書 (1)

 
(※ 2000年の 介護保険制度が施行されるときに 書いたものです。)

[企画意図]

 本格的な高齢社会を迎え、

 介護の問題は 誰にとっても 避けて通れないものになってきた。

 個人が 辛い重荷として背負わずに、

 社会的にシステムとして 支え合っていくことが肝要だ。

 「介護」 「福祉」 という言葉には、

 人の役に立つとか 高邁な慈善事業とかいう 罠がある。

 しかし 健全な利益がなければ、 ビジネスとしての介護は 成り立たない。

 利益があってこそ 次の活力が生まれ、

 さらにサービスを 提供することができる。

 それが 利用者のためにもなる。

 儲けなくして 優しいサービスは続かないのだ。

 介護ビジネスは 生き残るため命懸けの 真剣勝負である。

 金儲けと 心のこもったケア、

 一見矛盾する ふたつの葛藤を このドラマでは描いていく。

 当の家族にとって 介護は切実な問題だ。

 一人で抱え込むのではなく 人の力を借り、

 時には 気を抜くことも重要だし、 スキルも必要だ。

 それまで元気だった親などの 老いた姿を見るのは 辛いことではあるが、

 ありのままに受け入れ、 「共にある」 ということを 何よりも大事にしたい。

 やはり一番大切なのは、 お互いの愛情なのだ。

 主人公の新米介護福祉士・ 美由は、

 お年寄りとの思いやりのある 理想的な触れ合いを求めて、

 介護会社に入ってきた。

 ところが、 障害者で車椅子の社長・ 不動は やくざまがいの風体で、

 介護をビジネスとして割り切る 尊大で貪欲な男だった。

「 従来の 公平なバラマキ福祉が 財政を食いつぶした。

 介護は競争の時代だ 」

 そう言って憚らない、 儲け主義の不動。

 美由は不動に反発し、 自分の 理想の介護を求める。

(次の記事に続く)
 

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2007年5月14日 (月)

「無意識の彷徨」 (23)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47496171.html からの続き)
 

○空

  高い空。
  白い雲。
  清々しい……。
  

○霊園

  広大な空間。青々とした木々。
  明るい花が咲き競う花壇。
  則子の墓石の前に裕司,なつみ,友辺。
  線香の煙が燻る。
  裕司、則子の墓に水をかけて手を合わせ
  る。
裕司「(墓石に)……この頃、お母さんのこ
 と、少しずつ思い出してきたよ……優しか
 ったお母さんのこと……」
なつみ「(目を細めて)よかったね、裕司く
 ん……」
裕司「(ゆっくり立ち上がり)……でも、母
 の事故の光景が目に焼きついて……(辛そ
 うに目を伏せる)」
なつみ「(思いを寄せる)……その強烈な記
 憶はもう消えることはないでしょうね…
 …」
裕司「……僕、考えたんです……もう、逃げ
 てたらいけないんじゃないかって……過去
 から目を背けていたら、僕はまた自分をな
 くしてしまうから……」
なつみ「9才の裕司くんは逃げるしか自分を
 守るすべがなかった。でも今のあなたは…
 …」
裕司「向き合っていくことが必要なんじゃな
 いかって思ってます、消されてしまった記
 憶と……」
なつみ「トラウマを克服するには心のケアが
 大切なの。でもそれは一人でできる作業じ
 ゃない。カウンセリングを受けながらじっ
 くり時間をかけていかなければ……」
裕司「……僕は、本当の自分になりたいんで
 す……」
なつみ「楽な道じゃないけれど、これを乗り
 越えなければ裕司くんの傷は一生消えない
 と思う……。裕司くん、本当にそれをやる
 気持ちがある?」
裕司「……はい(意思の強い目)」
なつみ「(頷く)その言葉を待ってた。カウ
 ンセリングは本人からその気にならなけれ
 ばできないことだから。いいドクターのい
 る病院、紹介するわ」
裕司「お願いします(頭を下げる)」
なつみ「私は警察の心理士だから、ここまで
 しかできないのが本当に残念……(裕司の
 手を取り、じっと目を見つめる)きっと裕
 司くんの心が癒されることを祈ってるよ…
 …(心を込めて)」
裕司「……本当は、恐いんです……でも、き
 っと母が、僕を守ってくれると思います…
 …」
なつみ「(感慨深く)裕司くん……」
友辺「………」
  初めて裕司に穏やかな笑顔が見られる。
  友辺、裕司の肩を叩く。
  裕司の手を握るなつみ。
  三人の姿を見守る則子の墓石、則子の顔
  が浮かんで重なる。
  大きな愛で裕司を慈しむような則子。
裕司M『……お母さん……』
  清爽とした裕司の表情。
なつみ「………(笑顔)」
  見上げる上空に鳥が舞う。

        (終)
 

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2007年5月12日 (土)

「無意識の彷徨」 (22)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47472651.html からの続き)
 

○街路樹

  
○警察署・心理課

  なつみと裕司。
なつみ「(書類を持って。明るい様子で)精
 神科医の鑑定結果は『健忘』ということに
 なりました。事件当時、裕司くんの精神は
 全く別の世界に行っていて意識はなかっ
 た」
裕司「………(複雑な思い)」
なつみ「あとは裁判所の判断だけど、もしあ
 なたが何かしていたとしても、有利な材料
 には違いないわ」
裕司「ありがとうございます……」
なつみ「事件当時のこともそのうち思い出す
 かもしれないし」
裕司「はい……(落ち着く)」
  ドアをノックする音。
なつみ「どうぞ」
  ドアが開き、友辺が顔を出す。
友辺「犯人が二人挙がった」
なつみ「え?」
友辺「ゴーグルの指紋からアシがついたんだ、
 前科のあった奴で」
なつみ「裕司くんはその仲間なの?(不安気
 に)」
友辺「犯人が言うには、現場に通りかかって
 被害者を助けようとした男がいたそうだ。
 その男に顔を見られたんで、追いかけたけ
 ど逃げられたと供述してる」
なつみ「(不安と期待が入り交じって)その
 男って……?」
友辺「男本人は何も覚えがないそうだよ、あ
 っはっは!(隠していた喜びを一遍に出
 す)」
なつみ「はぁ……!  やったぁ!(裕司の手
 を取る)」
友辺「よかったな、西脇!」
裕司「……は、はい……!(浮足立ち恐縮す
 る)」
なつみ「(喜んで)裕司くんはきっと犯人に
 追いかけられた恐怖で意識をなくしたの
 よ!」
裕司「……あ、ありがとうございます……!
 (感慨)」
なつみ「よかった、裕司くん!(裕司に抱き
 つく)」
友辺「おい、あんまり抱きつくなよ!」
なつみ「んー!(構わず裕司をぎゅっと抱き
 しめる)」
  どぎまぎする裕司。
  
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47547133.html

 

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2007年5月11日 (金)

「無意識の彷徨」 (21)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47422983.html からの続き)

  
○警察署・外景

  ---フェイドイン。

○同・廊下

○同・心理課

  裕司、ソファに横になり片手の甲を目の
  上に当てている。
  なつみと友辺が見守っている。
裕司「………」
友辺「……君はお母さんを見捨てたんじゃな
 かったんだ。子供の力ではどうしようもな
 かった。精一杯のことをしたんだよ……
 (労る)」
  裕司、唇を噛みしめる。
なつみ「目の前の恐怖に対して、裕司くんは
 感情を消し、現実から自分を切り離すこと
 で身を守った……(慰謝する)」
裕司「………(涙が滲む)」
なつみ「そして最愛の人を失った苦しさから
 免れるために、お母さんの以前の記憶も消
 してしまったんだと思う……」
裕司「……僕は、母を嫌いだったんじゃない
 んですね……?(確認するように)」
なつみ「あなたはお母さんを心から好きだっ
 たのよ……(愛情深く)」
裕司「……母も、僕を……」
なつみ「(裕司の手を包み、深く頷く)その
 とおりよ……ご自分の命に代えるほど…
 …」
友辺「女性の力で、9才の子を体ごと放り投
 げたなんて……」
裕司「……母が、僕を助けてくれた……お母
 さんが僕を………(涙が止めどなく溢れて
 くる)」
  なつみ、裕司を抱く。
友辺「………(見守る)」
  裕司、なつみの腕のなかで嗚咽する。
  背中が大きく震える。
なつみ「………(裕司を強く抱きしめる)」
裕司「………お母さん……!(涙)」
  
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47496171.html

 

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2007年5月 9日 (水)

「無意識の彷徨」 (20)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47399540.html からの続き)
 

○フラッシュバック

 〔前の裕司の声が被さる。〕
  両手を突き出して必死に飛び出す裕司。

○心理課

  裕司、猛然と立ち上がり、両手を突き出
  してなつみに飛びついてくる。
なつみ「あ……!?」
友辺「何をする!!」
  友辺、反射的に裕司の胸ぐらを掴み、背
  負い投げをかける。
  裕司の体がふわりと宙に浮く。

○フラッシュバック

  9才の裕司の体が宙に舞う。

○心理課

  床に投げられる裕司。

○フラッシュバック

  裕司、草むらの中に落ちる。

○心理課

  仰向けになり、驚愕した裕司の顔。
  天井が回るように見える。

○フラッシュバック

  空中にいる裕司。
  周囲の景色がぐるりと回る。
  警報機と電車の音が鳴り響く。

○心理課

  愕然とした裕司の顔。
9才の裕司の声「……お母さぁん……!!」
  警報機と電車の音が重なる。

○回想

 〔以下はロングも用い、裕司と則子の位置
  関係を描く。〕

  点滅する警報機。
  線路上にいる裕司と則子。
  足を抜こうとするが動けない。
  電車が近づいてくる。
裕司「お母さん!  危ないよ……!!」
  裕司は必死にブーツを引っ張り則子を助
  けようとする。
  ヒールはがっちりと線路に挟まって抜け
  ない。
  轟音とともに迫ってくる電車。
  泣き叫ぶ裕司。
則子「裕司! 逃げて……!!」
裕司「(泣きながら)いやだ!!  お母さん…
 …!!」
則子「逃げなさい……!!」
  裕司を引き離そうとする則子。
  必死でヒールを線路からはずそうともが
  く裕司。
  目の前に突進してくる電車。警笛。
裕司「お母さぁん……!!」
  裕司、無我夢中で則子を突き飛ばそうと
  両手を突き出して押す。
則子「裕司……!!」
  小柄な則子が、無我夢中で裕司を体ごと
  放り投げる。
  宙を舞う裕司。
  裕司の視界で則子と周りの景色がゆっく
  り一回転する。
  草むらに落ちる裕司。
  額に傷を負うが、必死で顔を上げる。
  瞬間、電車と則子が接触する。
  木っ端微塵に打ち砕かれる則子。
  裕司に真っ赤な血飛沫が吹きかかる。
  激しく軋む急ブレーキの音と共に走りす
  ぎる電車。
  凍りついた裕司の表情(能面のように見
  える)。
  フェイドアウト---。

(続く)
 

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2007年5月 8日 (火)

「無意識の彷徨」 (19)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47369496.html からの続き)
  

○夜空
  

○街景/昼
  

○警察署・外景
 

○同・心理課・窓の外

  窓から部屋のなかが見える。
  立っているなつみと、椅子に座っている
  裕司。
  

○同・中

  なつみが裕司に催眠療法を行っている。
  テーブルはどかされ、なつみは裕司の横
  に立っている。
  軽く目を閉じている裕司。
  友辺がそっとドアを明けて入ってきて、
  脇に控える。
なつみ「………裕司くん、歳はいくつ?」
裕司「(子供の言い方で)……んとね、9才
 ……」
なつみ「今どこにいるのかな?」
裕司「……踏み切り……電車の……」
なつみ「(裕司に)何か見える?」
裕司「……う、ん……お母さんが……」
友辺「………」
なつみ「お母さん、どうしてる?」
裕司「(眉をひそめる)………足が……抜け
 ない……」

○フラッシュバック

 〔以下、フラッシュバックでは則子・裕司
  をロングで見せない(則子と裕司の位置
  関係を描かない)。
  則子のアップで畳みかけるように。〕
  線路にブーツの踵を挟まれ動けない則子。
  必死で足を抜こうとする。
  能面のような裕司(9才)の顔。

○心理課

裕司「……ああ……(顔が恐怖に歪む)」
なつみ「どうした? 何があったの?」
  裕司の体が震える。

○フラッシュバック

  裕司の能面のような顔。
  足を抜こうとする則子。
  電車の警笛が聞こえる。
  はっとして振り返る則子。
  警報機。向かってくる電車。
  則子、ますます焦ってもがく。
  警報機。電車が轟音をたてて迫る。
  警笛。急ブレーキの音。
  断末魔の則子。
  目の前に突進してくる電車。
  無表情の裕司。

○心理課

裕司「ああ……ッ(両手をもがくように動か
 す)」
なつみ「裕司くん……!?」
  緊張して見ている友辺。
裕司「お母さん……!!」

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47422983.html

 

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2007年5月 7日 (月)

「無意識の彷徨」 (18)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47340651.html からの続き)
 

○なつみのマンション・外景/夜

○同・リヴィング

  ブランデーグラスを手に、ソファに座っ
  ているなつみと友辺。
  なつみは、友辺の肩に体を寄せかけてい
  る。
  気持ちが揺れている様子のなつみ。
なつみ「……裕司くんの心を踏みにじること
 にならないかな……」
友辺「え……?」
なつみ「催眠ていうのはね、人の心に土足で
 入り込むようなものだと思うの……」
友辺「ていうと?」
なつみ「だって裕司くんはやっとの思いで記
 憶喪失になって、持ちこたえてるようなも
 んでしょ?  それを無理やり引きずり出す
 んだから……本当に大変なのはそのあと…
 …」
友辺「俺たちがせっつかせるからか?」
なつみ「それもあるけどね……今の裕司くん
 は自分の過去が分からないことで不安定に
 なってる……自傷行為もあるし、事実を知
 る緊急性があると思う。他の心理療法では
 何年もかかったりするから」
友辺「やるしかないわけか……(不本意なが
 ら)」
  なつみ、ブランデーを飲み干す。
友辺「……俺も、立ち会っていいかな……
 ?」
なつみ「……そうね……うまく催眠状態に入
 れる段階になってからなら……何日か か
 かるけど……」
友辺「わかった……頼むよ、なつみ……」
なつみ「………(友辺の肩に頭をもたせ掛け
 る)」
友辺「………(なつみの肩に手を掛け抱き寄
 せる)」
なつみ「………」
  二人、抱き合う。

(続く)

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47399540.html 傑作   

 

 

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2007年5月 6日 (日)

「無意識の彷徨」 (17)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47313453.html からの続き)

  
○樹木

  幹にとまった蝉がしきりに鳴いている。
  

○警察署・心理課

  なつみと裕司。
裕司「(顔を伏せて)……自分で自分が恐い
 んです……!  僕は多重人格じゃないんで
 すか……!?」
なつみ「裕司くんに別の人格があるのかはま
 だ分からない。でもね裕司くん、多重人格
 だから犯罪に関わるなんてことはないんで
 すよ。マスコミなんかで誤解されてるけど、
 本当は多重人格の人は優しくて傷つきやす
 い人たちが多いんです」
裕司「……でも、意識がない間に、自分が一
 体どんなことをしてるのか……!?」
なつみ「それを、知りたいと思いますか?」
裕司「………(当惑)」
なつみ「あなたの人生のなかで抜け落ちてい
 る空白、それを埋めることで自分の姿が見
 えてくると思います」
裕司「……どうやってそんなことを……?」
なつみ「催眠によって記憶を呼び起こすとい
 う方法もあります」
裕司「……催眠術をかけられるんですか…
 …?」
なつみ「裕司くんが私を信じてくれるなら
 (裕司の目を見つめる)」
裕司「……でも、また大変な記憶が出てきて
 しまったら……?」
なつみ「もしかすると、そういうことがない
 とは言えません。このままのほうがいいで
 すか?(穏やかに)」
裕司「……いや、このままじゃ……(困惑し
 て)」
なつみ「恐いものは見ないほうがいいか、本
 当のことを知りたいか、裕司くん自身の選
 択なんですよ」
裕司「……でも……(逡巡)」
  裕司の気持ちをありのままに包むなつみ。
裕司「………(葛藤)」
なつみ「………(見守る)」
  裕司、顔を上げてなつみの目をしっかり
  見つめる。
  裕司の意思を見て取り小さく頷くなつみ。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47369496.html

 

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2007年5月 5日 (土)

「無意識の彷徨」 (16)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47271441.html からの続き)
 

○同・心理課

  なつみのデスクの電話が鳴る。
なつみ「(受話器を取り)はい心理課です」

○同・捜査一課

田所「(電話で)田所だ。いつまでモタモタ
 やってるんだ?  調べがラチあかないんだ
 よ、上からもうるさく言われてな!」

○同・心理課

なつみ「あの……」
田所『(なつみに余地を与えず)捜査のジャ
 マするために心理屋を雇ってるんじゃない
 んだ。立場ァわきまえろ!』
なつみ「僣越かもしれませんけど、容疑者に
 も人権があります。心を傷つけていいとい
 うことはありません」
田所『出たな、金看板の“ココロ”が。だっ
 たら被害者の“ココロ”も分かってるんだ
 ろうな?』
なつみ「………」
田所『それに共犯者は今もそこらをウロつい
 てるんだ。いつまた次のガイシャが出るか
 分からんのだぞ!』
なつみ「でも、面接には時間がかかりますか
 ら……」
田所『犯罪は待っちゃくれないんだよ!  催
 眠術でもかけて、チョチョっと記憶を引っ
 張り出すくらいできるだろう!?  いいな
 !!』
  ガチャッと一方的に電話を切る田所。
なつみ「………(荒いため息)」

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47340651.html

 

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2007年5月 3日 (木)

「無意識の彷徨」 (15)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47247327.html からの続き)
 

○街路

  友辺、周囲に注意しながら歩いている。
  懸命な様子が窺える。

  
○住宅

  玄関先で家人に聞き込みをしている友辺。
  

○事件現場近くの公園

  歩いてくる友辺。
  子供たちがわいわい騒いでいる。
  友辺、気になって見る。
  子供たちは草むらからゴーグルを見つけ
  たらしい。
  ゴーグルは壊れて血が付いている。
子供A「血だよ、血!」
子供B「違うって、そんなの」
  はっとする友辺。

○インサート

 〔事件直後、現場で目撃者のOLに事情を
  聴取しているシーン〕
友辺「犯人の年恰好は?」
OL「……二十歳くらいで……そう、ゴーグ
 ルをかけてる人がいました……」

○公園

  友辺、子供たちのほうへ近づいていく。
友辺「(腰をかがめて、わざとらしい作り笑
 顔をしながら)ねえ僕たち、それ、どうし
 たの?」
  友辺を見上げ、ぽかんとする子供たち。
 

○警察署・取調室

  田所・友辺、裕司を取り調べている。
田所「(不機嫌そうに)お前、自分の母親ま
 で見殺しにしたそうだな」
裕司「………(苦渋)」
友辺「田所さん、それはいま言わなくても…
 …」
田所「お前は自分に都合が悪くなると意識が
 なくなるそうじゃないか。便利な奴だ。今
 度のヤマでも罪意識から逃げるために記憶
 を消したんだろう?(恫喝)」
裕司「(泣きそうに)……そうなのかもしれ
 ません……でも……」
友辺「たしかに、『誰かを見捨てて逃げた気
 がする』っていうのもお袋さんのことと繋
 がってる。被害者の返り血がお袋さんの血
 と結びついて、無意識の防御システムで意
 識を失ったとも考えられる……」
田所「そうすりゃあ全部つじつまが合ってく
 るんだ。すんなり認めちまいな!」
裕司「………」
友辺「でも彼は覚えてないんですよ」
田所「チッ、面倒な野郎だ!(机を蹴とば
 す)」
裕司「………(身の置き所がない)」
田所「(皮肉めいて)……ジキルとハイドか
 ……夜中に人を殺し歩いて朝になると覚え
 てない……お前もそういう奴なんだろう
 ?」
裕司「………(拳を握りしめて耐える)」
田所「(裕司をなめるように見て)別の人間
 になって何やってんだ、あぁ? いい加減
 に思い出さないか!」
裕司「………(体が震える)」

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47313453.html

 

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2007年5月 2日 (水)

「無意識の彷徨」 (14)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47225206.html からの続き)
 

○街景

  警察署・遠景。
 

○警察署・応接室

  裕司の伯父,伯母の和信と俊子が来てい
  る。
  応対しているなつみと友辺。
俊子「(心を痛めて)………裕司は、母親の
 踏み切り事故があった2時間くらいあと、
 踏切から2~3キロ離れた道にしゃがみ込
 んでいたところを保護されたんです……
 母親の血を浴びた姿で……」
友辺「やっぱり踏み切りの事故は事実だった
 んですか……」
なつみ「今まで裕司くんに事故のことは話さ
 れなかったんですか?」
和信「……母親のあんな悲惨な死に方……本
 人が覚えてないのを、無理に言って聞かせ
 ることはないと思って、ずっと口にしない
 できたんです……それをわざわざ掘り返す
 ようなことをしてくれて……!(怒りを噛
 み殺す)」
なつみ「(恐縮するが)……いきなりこんな
 重大なことが出てきてしまうなんて、私も
 予期できませんでした。申し訳ありません
 ……でも、これは必要な過程だと思うんで
 す」
和信「知らずにすむことは知らないほうがい
 いんだ!」
なつみ「でも、裕司くんの心の影の部分に光
 を当てていかなければ、これからもまた繰
 り返し記憶をなくすことになるかもしれま
 せん」
俊子「……どうして、何度も記憶喪失になる
 んですか……?(不安げに)」
なつみ「成長してからも裕司くんは、恐怖や
 危機が身に振りかかると自動的に意識をな
 くして記憶に停めないという、防衛システ
 ムができ上がってしまったのではないかと
 思います。心理学では『抑圧』『解離』と
 いうメカニズムで説明してるんですが…
 …」
俊子「でも、昔の母親のことも覚えてないな
 んて……」
なつみ「裕司くんは、お母さんとの愛情がな
 かったんじゃないかと思っているようです
 が、何か心当たりは……?」
和信「そんなものはありません!  ちゃんと
 普通に暮らしてる親子でした(怒りをあら
 わにする)」
なつみ「ただ、子供にとっては、端から見て
 普通だという客観的な事実ではなくて、愛
 を感じてないという主観が事実になってし
 まうんです」
友辺「……そのために、事故のとき母親を見
 捨てるようなことを……?」
なつみ「(遺憾な思いで)考えられないこと
 ではないかもしれません。その結果、裕司
 くんは恐ろしさと同時に、自分がお母さん
 を見殺しにしたという罪の意識から逃れる
 ため、記憶を消し去ったということも…
 …」
和信「あなたは裕司と母親の関係を台無しに
 したいんですか!?」
なつみ「(一生懸命に説得しようとする)そ
 うではなくて、裕司くんが何故そう思うよ
 うになってしまったのかという理由が大事
 なんです」
俊子「(目頭を押さえ)……それが、あの子
 の病気の原因なんですか……」
なつみ「裕司くんは病気ではありません。何
 か深い傷を負っているんです。お母さんと
 の間に何があったのか、それを探らなけれ
 ば彼の心は癒されないと思います」

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47271441.html

 

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2007年5月 1日 (火)

「無意識の彷徨」 (13)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47053023.html からの続き)
 

○警察署・外景

  ---フェイドイン。

○同・医務室の外

○同・医務室の中

  ベッドに寝ている裕司。
  ベッドサイドになつみと友辺、心配そう
  に見守っている。
  裕司はなつみと友辺に背を向け、体を海
  老のようにしている。
なつみ「(神妙に)……お母さんが事故に遭
 った現場にいた……そのときのことを思い
 出したんですね……」
裕司「(涙ながらに)………僕は……母親が
 目の前で轢かれるのを、ただぼうっと見て
 ただけなんです……驚きも悲しみもしない
 で……」
なつみ「………(心を痛め)」
裕司「……僕は母を見殺しにした……何故か
 ずっとそんな気がしてた……だけど、やっ
 ぱり事実だったんです……!(自責)」
なつみ「何か事情があったのかもしれない…
 …(労るように)」
裕司「(かぶりを振る)……こんな大事なこ
 とさえ覚えてないなんて……僕にとって、
 母親の事故は、記憶にも残らない程度のこ
 とでしかなかった……!」
なつみ「……幼い裕司くんにとって、目の前
 のお母さんの死は、記憶に留めるのさえ耐
 えられないようなでき事だったんじゃない
 かしら……」
  なつみ、裕司の肩に手を掛ける。
なつみ「小さい子供はね、裕司くん、あまり
 にも恐ろしい、受け入れがたい体験をする
 と、トラウマ……心の傷から自分を守るた
 めに、無意識の防衛機能として記憶を消し
 てしまうことがあるの……」
裕司「……え……?(混乱)」
友辺「う~ん……確かに俺たちでも、嫌なこ
 とはなるべく忘れたいっていうのはあるけ
 ど……?」
なつみ「大人と違って子供の場合は、本当に
 その体験自体が抹消されてしまうの。『僕
 はここにいないんだ。こんなことはなかっ
 たんだ。だから辛くないんだ』と無意識に
 言い聞かせて」
裕司「……じゃあ……それ以前の母の記憶も
 ないっていうのは……?  受け入れがたい
 ような母親だったんですか……!? 幼児虐
 待とか……!?」
なつみ「先走りしないで……」
裕司「……そんな母親だから、助けようとし
 なかった……?  それを丸ごと忘れるため
 に記憶を消したんですか……!?」
友部「でも待ってくれ、踏み切り事故が本当
 に現実だったと言えるのか?」
なつみ「これだけ鮮明に呼び覚まされた記憶
 は事実に違いないと思う……細かい部分は
 別としても……」
裕司「(頭を抱える)……思い出さなきゃよ
 かった……!!  どうしてこんな面接なんて
 したんですか……!?」
友部「(なつみに)だから子供のときのこと
 なんかいいと言ったんだ!  記憶がなくな
 るにはそれだけの理由があったんじゃない
 か……!?」
なつみ「(心苦しい)辛いのは分かります…
 …でも、失ったものを取り戻すには……」
裕司「(耳に入らず)……僕は母を殺したん
 だ……自分の母親を……!!  ああ……!!
 (机に自分の頭を叩きつける)」
なつみ「裕司くん……!?」
  裕司、何度も激しく頭を打ちつける。
友辺「やめろ!!(裕司を止める)」
  裕司の額は裂けて血が流れる。
裕司「……ああ……!!(嘆)」
なつみ「裕司くん……!(裕司を抱く)」

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47247327.html

 

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2007年4月24日 (火)

「無意識の彷徨」 (12)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47026933.html からの続き)
 

○警察署・留置場

  ベッドに座って考え込んでいるような裕
  司。
  突然、留置場の格子の扉に鍵が差し込ま
  れる音が響く。
  はっと我に返る裕司。
看守「(扉を開けて)面接だ」
  おずおずと立ち上がる裕司。
  裕司が外に出て看守が扉を閉めたとき、
  裕司のズボンの裾が鉄格子の壊れた金具
  に引っ掛かる。
  看守は気づかずつかつか前へ進む。
  裕司は足が動かない。
看守「(立ち止まり振り返る)どうした?
 早く来い!」
  裕司は急き立てられて異様なほど動転す
  る。
看守「何してるんだ?(仁王立ちで威圧的
 に)」
  裕司、必死に足を抜こうとするが抜けな
  い。
  混乱をきたす裕司。
看守「もたもたするな!  早く来ないか!」
  看守、ずんずんと裕司の方へ迫り寄って
  くる。
  我を失って恐怖にかられる裕司。
  向かってくる看守が手に持った鍵が鉄格
  子に当たり、カンカンという金属音が響
  く。
  裕司、時間の感覚がなくなり、看守の動
  きと声がスローモーションのように感じ
  られる。

○フラッシュバック

  カンカンという警報機の音。
  踏切で点滅する赤い光。

○留置場

  裕司の恐怖の表情。
  看守の黒い大きな影が裕司に覆いかぶさ
  る。

○フラッシュバック

  黒い鉄の固まりのような電車。
  けたたましく警笛を鳴らし、轟音を立て
  て迫ってくる。
  手を差し伸べる則子。
  則子の姿があっと言う間に小さくなって
  消滅する。

○留置場

裕司「あああ~~~………!!(頭を抱えてう
  ずくまる)」

○フラッシュバック

  9才の裕司。
  踏切の脇の草むらから線路の方を見てい
  る。
  額から血が流れている(現在の傷痕の場
  所)。
  遮断機が降り警報機が鳴っている。
  線路にブーツの踵を挟まれて動けない則
  子。
  電車が警笛を鳴らしながら飛び込んでく
  る。
  恐怖に引きつる則子の表情。
  無表情の裕司の顔。
  則子と電車が交錯する。
  画面一杯に飛び広がる血飛沫の色。
  フェイドアウト---。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46975546.html

 

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2007年4月23日 (月)

「無意識の彷徨」 (11)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46997596.html からの続き)
 

○同・捜査一課

  なつみと友辺・田所、テーブルを挟んで
  座っている。
田所「(煙草をくわえて)困るんだよねぇ、
 勝手なことばっかりされちゃ」
友辺「(なつみに)必要なのは事件当時の記
 憶なんだ。初動が肝心なんだよ。子供のと
 きのことばかり調べてて捜査が遅れては…
 …」
なつみ「彼は恐らく子供のころ、何か強いシ
 ョックを受けるような体験をしたのではな
 いかと思います。彼がなぜ記憶をなくすよ
 うになってしまったのか、その原因を突き
 止めなければ本当の解決にはならないと思
 うんです」
田所「うちらの仕事はね、ホシを吐かせるこ
 となんだ。奴の口を割らせることもできな
 いってんじゃ、心理屋さんよ、あんたの腕
 も怪しいもんだな」
   友辺、ムッとするのを抑える。
なつみ「真実を知るには、彼の心の奥を理解
 しようとする姿勢が基本です。信頼関係が
 必要なんです」
田所「かッ!  くちばしが黄色くなってるぜ。
 捜査のトーシローが口を挟むんじゃない
 !」
なつみ「(カチンとくる)でも、例えば事件
 当時の彼の精神状態が正常でなかったと分
 かれば、刑事責任は問えない可能性だって
 あるんですよ!」
田所「そのときはそのときだ!  何をやらか
 したのかって事実が先だろう!?」
なつみ「彼が無意識に行なった事実だけを突
 きつけて、後は放り出すなんてことをした
 ら、彼の心がどんなずたずたにされるか分
 かりますか!?」
田所「ここは警察だ!  心理屋は言われたこ
 とだけやってりゃいいんだよ!」
友辺「田所さん……!」
なつみ「………!!(憤慨)」

○街景/夕方

  走る電車--遠景。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47053023.html

 

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2007年4月22日 (日)

「無意識の彷徨」 (10)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46975546.html からの続き)

 
○警察署・留置場/夜

  目覚める裕司。
  震える息を吐く。
  手で顔を覆う裕司。
  

○同・心理課

  裕司,なつみ,友辺。
なつみ「お母さんの顔が見えない……?」
裕司「(不安そうに)……同じ夢を、何度も
 見るんです……」
なつみ「お母さんとの間に何か特別なことが
 ありましたか?」
裕司「(考えて)……分かりません……」
なつみ「どんなお母さんだった?」
裕司「(言いにくそうに)……あまり、覚え
 てないんです……」
なつみ「そう……好きだったとか嫌いだった
 とかは?」
裕司「………それも、よく……」
友辺「………(不思議な思い)」
裕司「(恐る恐る)………母のこと、好きじ
 ゃなかったから、知らないうちに忘れよう
 としてるんでしょうか……?」
なつみ「そうとは言えないけど……お母さん
 とのことで何か漠然とした印象っていうか、
 心に引っ掛かっているような感じはないで
 すか?」
裕司「………何だか、母のことを置いていっ
 たような……見捨てたような、そんな感じ
 が……(辛そうに)」
なつみ「見捨てたような感じ……」
友部「………(怪訝)」
裕司「(急に顔を手で覆って)……自分の母
 親のことを覚えてないなんて、僕は異常じ
 ゃないんですか……!?」
なつみ「(包容するように)人の心の働きに
 はね、必ずそれが必要だったっていう理由
 があるの。それをゆっくり見ていきましょ
 う」
裕司「……僕が異常な理由をですか……?
 どうでもいい……! 僕は病気なんでしょ
 う!? だから人を傷つけても分からないん
 です……!!(自虐的)」
なつみ「裕司くん……(共感に努める)」
裕司「(取り乱して)……僕は異常なんだ、
 病気なんだ……!!  うう……!!(泣き伏
 す)」
なつみ「………(心痛)」

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47026933.html

 

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2007年4月21日 (土)

「無意識の彷徨」 (9)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46947072.html からの続き)

  
○街景

  友辺の車が走っている。
 

○車の中

  運転している友辺。
  助手席になつみ。
友辺「尋常じゃないな、あの驚き方は」
なつみ「過去に何か、ああいう音に関わるシ
 ョッキングな体験があったのかもしれない。
 光が印象に残ってるっていうのも気になる
 し」
友辺「俺も子供のとき、古くなった牛乳をカ
 ルピスと間違えて飲んでピーゴロんなって
 さぁ、それからカルピス飲めなくなったな
 (笑)」
なつみ「彼は母子家庭だったね。子供に一番
 大きく影響するのはふつう親との関係だけ
 ど……」
友辺「その母親も西脇が9才のときに亡くな
 って、今の伯父夫婦に引き取られた。でも
 夫婦の話では、西脇は母親の死のことを覚
 えてないそうなんだ」
なつみ「9才で……不自然ね」
友辺「それ以前の母親の記憶もあまりないら
 しい」
なつみ「ふーん、母親との関係に何か問題が
 あったのかな」
友辺「(思いを馳せるように)……自分の過
 去の一部を覚えてないなんて、どんな感じ
 なんだろうね?」
なつみ「………(思案)」
  車は踏切に差しかかり停車する。
  カンカンと警報機が鳴り遮断機が降りる。
  警報機が赤く点滅する。
  電車が音をたてて滑り込んでくる。
 

○闇

  点滅する赤い光(前のシーンから続い
  て)。
  カンカンという音が被さる。
  後ろ姿の則子が漂うような感じで歩いて
  いる。
裕司の声「………お母さん……」
  ゆっくりと振り向く則子。
  顔がぼやけて誰だか分からない。
裕司の声「お母さん……?」
  点滅する光と音。
  則子は何かを求めるようにこちらへ手を
  差し伸べる。
  則子の体が遠ざかっていく。
  苦悶しているように見える。
  光と音が大きくなる。
  則子、懸命に求めるがどんどん遠ざかり、
  電車の轟音にかき消されるようにふっと
  消えてしまう。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46997596.html

 

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2007年4月20日 (金)

「無意識の彷徨」 (8)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46929659.html からの続き)
 

○警察署・心理課

  なつみが裕司の面接をしている。
  友辺も同席している。
なつみ「(笑み)いいですよ……もう少し前
 の記憶に戻ってみましょうか。
 (友辺に)あれを」
  友辺、紙袋の中から裕司が着ていたTシ
  ャツを出す。
  目を背ける裕司。
なつみ「辛いでしょうけど、見てもらえます
 か。何か思い出すことは?」
裕司「(表情を歪め、自分の記憶と戦う)…
 ……血……赤い血……」
なつみ「………(じっと見守る)」

○インサート

  血を流して倒れている被害者(顔はよく
  見えない)。

○心理課

裕司「……血が出てる……(ゆっくりと記憶
 を呼び起こし)人が、殴られて……」
  友辺、被害者の写真を出して裕司に示す。
友辺「この人か?」
  恐る恐る写真を見つめる裕司。
裕司「………(顔をしかめる)」

○インサート

  拳を食らい鼻血が吹き出る被害者。

○心理課

裕司「(辛そうに)……そうかもしれません
 ……」
なつみ「あなたが殴った?」
裕司「……何かをした、気はします……でも、
 他にも人がいたような……」
友辺「西脇、しっかり思い出すんだ。肝心な
 ところなんだぞ!」
なつみ「(友辺を制して)友辺さん、無理強
 いしないで。あくまで彼のペースでやるの
 が大事なの」
友辺「………(憮然)」
なつみ「(裕司に)大丈夫、うまくいってま
 すよ」
裕司「………(心ここにあらずという感じ
 で)」
なつみ「裕司くん?」
裕司「……え……?(我に返る)」
なつみ「大丈夫?」
裕司「あ……分かりません……ぼうっとして
 て……」
なつみ「今も気持ちがどこかへ行きかけたの
 かしら?」
裕司「………(困惑)」
  友辺、机の上の煙草を取ろうとしてうっ
  かり金属製の灰皿を床に落とす。
  カンカンと音をたてて、灰皿か床に跳ね
  返る。
裕司『はッ!?……(異常に反応して身をすく
 める)』
友辺「?……(訝る)」
  体を硬直させる裕司。
なつみ「どうしたの?」
裕司「(青ざめて)……き、嫌いなんです…
 …こういう音……」
なつみ・友辺「?………」

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46975546.html

 

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2007年4月19日 (木)

「無意識の彷徨」 (7)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46897458.html からの続き)
 

○警察署・心理課

  なつみ、裕司の書類を読んでいる。
なつみ・『伯父夫婦の話では、過去にも2回
 意識をなくして記憶を失ったことがある…
 …時間が経つと元の記憶は戻るけど、無意
 識の間の記憶はないまま、か……(ペンを
 噛む)』
  ドアをノックする音。
なつみ「どうぞ」
  友辺が裕司を連れて入ってくる。
友辺「西脇裕司だ」
  不安そうな裕司、ぺこりと会釈する。
なつみ「(立ち上がり笑顔で)こんにちわ、
 麻生なつみです。心理課の仕事をしていま
 す」
裕司「………(なつみを見る)」
友辺「取り調べじゃない、安心しろ。優しい
 お姉さんだ」
  優しく微笑むなつみ。
   
   ×    ×    ×    ×    ×
  
  なつみと友辺、テーブルを挟んで裕司と
  向かい合って座っている。
裕司「………(緊張している様子)」
なつみ「(優しく)自分が誰か、分かります
 か?」
裕司「………(なつみを信用できるかどうか
 顔色を窺う)」
  なつみ、裕司を受け入れる態度。
裕司「(おもむろに)……僕は……西脇、裕
 司です……」
友辺「え!? 思い出したのか?」
裕司「……伯父と伯母に話を聞いて、自分の
 こと、少し思い出しました……」
なつみ「そう、よかった(笑む)記憶が戻り
 はじめたんですね」
友辺「(気負って)事件のとき何をしたか分
 かるか?」
なつみ「友辺さん、あせらないで」
友辺「ん……」
なつみ「(和やかな雰囲気で裕司に)ここの
 留置場で気がついたんですね? その前の
 ことで何か頭に浮かぶことはありますか?
 どんな小さいことでもいいから話してみて
 くれます?」
裕司「………」
なつみ「つじつまが合わなくても、意味が分
 からなくてもいいんですよ」
裕司「(しばらく考え込んで)………光……
 光が、見えたような……」
なつみ「光?」
裕司「(少しずつ思い出そうとしながら)…
 …急に目の前がまぶしくなって……赤い光
 が、ぴかぴか点滅して……」
なつみ「刑事さんに捕まったときですね?
 パトカーのライト。そのときどんな気持ち
 がしたか、覚えてますか?」
友辺「………(見入っている)」
裕司「……何だか、とても恐かった気がしま
 す……わけが分からなくなって……無我夢
 中で……」
なつみ「(頷き)それで暴れたのかしら?
 どうしてそこにいたのかは分かりますか
 ?」
裕司「(ゆっくり思い出しながら)……どこ
 かから、逃げてきたみたいな……誰かを、
 置いて……」
なつみ「誰かを置いて? 何か悪いことをし
 たっていう感じがする?」
  友辺、身を乗り出して裕司の答を期待す
  る。
裕司「………そんな、感じもします……でも、
 恐かった……」
なつみ「逃げだしたい、忘れたいことがあっ
 たのかな?」
裕司「(一生懸命思い出そうと)……何かが
 あったことは分かるんです……でも、それ
 が何だったのかが思い出せなくて……(は
 がゆい)」
  友辺、残念そうに舌打ちする。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46947072.html

 

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2007年4月18日 (水)

「無意識の彷徨」 (6)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46766123.html からの続き)
 

○同・捜査一課

  電話している友辺。
友辺「……ええ、西脇裕司です……確かにお
 宅の同居人ですか?……いや、落ち着いて
 ください、保護されてるんです……そうで
 すか……ええ、ご足労ですがお出でいただ
 きたいんです、はい……」
 

○同・面会所

  透明の衝立を挟んで、裕司と和信(伯
  父)・俊子(伯母)が向き合っている。
和信「裕司、伯父さんだぞ(裕司に顔を近づ
 ける)」
俊子「伯母さんよ、分かる?(心配そうに見
 つめる)」
裕司「(辛そうに目を伏せる)……すみませ
 ん、分からないんです……」
俊子「……仕方ない、あんたのせいじゃない
 よ、裕司は病気なんだから……」
裕司「……病気……?(不安)」
和信「……とうとう警察のお世話になるなん
 て……悪いことはしてないんだろうな?
 お前を信じてるぞ」
裕司「(うなだれて)……覚えてません……
 でも、目撃者の人が言うのなら、何かした
 のかも……」
和信「(頭を抱えため息をつく)どうしてこ
 んなことが何度も……」
裕司「“何度も”……?  今までにも記憶喪
 失になったことがあるんですか……?(当
 惑)」
俊子「……大丈夫よ、また元に戻るわ(明る
 く振る舞ってごまかす)」
裕司「教えてください、どうして僕はこんな
 ことに……!?」
和信「裕司、落ち着いて……!」
裕司「僕は一体誰なんです……!?  親は来て
 くれないんですか!?……」
和信・俊子「裕司……(困惑)」
裕司「……自分のことが分からないなんて…
 …!(手で顔を覆う)」
 

○街景・夜
 

○警察署・留置場

  膝を抱えて座っている裕司。
  格子窓から月を見つめている。
裕司「………」

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46929659.html

 

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2007年4月13日 (金)

「無意識の彷徨」 (5)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46646983.html からの続き)
 

○同・心理課(回想終わり)

  部屋の隅の机に箱庭(砂の入った平たい
  箱に色々なミニチュアが並んでいる)が
  置いてある。
  棚には箱庭療法に使う様々な人形やミニ
  チュアなどが並んでいる。
  友辺、箱庭のミニチュアを何気なく手に
  取って箱庭に置いたりしている。
友辺「田所さんは、よくある芝居だって言う
 んだ」
なつみ「(コーヒーを入れながら)詐病--
 つまり嘘をついてる場合もあるだろうけど、
 記憶に障害をきたすのは実際にもあること
 よ、生活史健忘とか」
友辺「(椅子に座る)記憶はそのうち戻るも
 んなのかね?」
なつみ「(カップを勧める)それはいろんな
 ケースがあるけど」
友辺「なつみ先生の腕で記憶を戻すことはで
 きない相談かな? 本人が覚えてないこと
 には捜査が進まないし、上からも要請され
 てるんだ」
なつみ「とにかく会ってみないとね。心理テ
 ストや鑑別診断もあるから」
友辺「俺にはどうも奴が嘘をついてるように
 は思えないんだよ」
なつみ「その人を信じたのね。一応合格点
 (笑)」
友辺「(苦笑)心理士の相方としてか?」
  くすっと笑うなつみ。
  

○同・面通しの部屋

  マジックミラーの向こうに立っている裕
  司と数人の男。
  マジックミラーの手前になつみ,友辺,
  田所がいる。
  なつみ、男たちの顔を見比べる。
  なつみに注目する友辺と田所。
  身の置き所がない様子の裕司。
友辺「(なつみに)昨日の男、この中にいる
 かい?」
なつみ「(裕司を見て慎重に)……左から二
 人目の人だと思う、暗かったんだけれど…
 …」
友辺「よく見て、重大なことだから」
なつみ「(しっかりと)……ええ、あの額の
 傷痕、間違いない」
田所「決まりだな、血痕の血液型もガイシャ
 のと一致したし」
  不安そうな裕司。
なつみ「………(裕司の表情や様子をじっく
 り観察する)」
 
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46897458.html

 

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2007年4月 9日 (月)

「無意識の彷徨」 (4)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46599520.html からの続き)

  
○警察署・心理課

  心理課のプレート。
  友辺がドアにもたれて待っている。
  徹夜した様子で、襟とネクタイを緩め、
  不精髭が覗く。
  やって来るなつみ。
なつみ「あ、友辺さん、おはよう」
友辺「(なつみに視線だけ向けて)もう来る
 かと思って(口許で笑う)」
なつみ「徹夜? 朝からひげづらで」
友辺「(髭をさすりながら)シブい?」
なつみ「(苦笑)ブルース=ウィルスならね
 (バッグからキーを出しドアの鍵を開け
 る)」
友辺「(ドアから体を起こして)男が見つか
 ったよ。本人は無傷だ。服に付着してた血
 痕は被害者の返り血かもしれない」
なつみ「その人が加害者だったの?  本人は
 何て?(ドアを開け中に入る)」
  部屋の中にはなつみの机、面接用のテー
  ブルと椅子。
  本棚に並んだ心理関係の本。
友辺「(苦い顔をして)それが……(なつみ
 の後から部屋に入る)」
なつみ「うん?(机の上を簡単に整理しなが
 ら)」
友辺「……覚えてないんだ」
なつみ「え?」
 

○回想/同・取調室の中

田所「記憶喪失ぅ?(愚弄するように)」
  身を固くして椅子に座っている裕司。
  机を挟んで大きな態度で座っている田所。
  友辺は立って見ている。
田所「『ここはどこ?  私は誰』ってかぁ
 ?」
裕司「………(萎縮して)」
田所「(すごんで怒鳴る)ふざけるんじゃな
 い!  お前みたいな芝居を打つ奴はよくい
 るんだ!  記憶喪失なんざ作り物のドラマ
 ん中だけの話だ!  20年間刑事やってて、
 本物にお目にかかったことはないんだよ
 !」
裕司「(頭を抱えて)……でも……何も分か
 らないんです……!」
  友辺、裕司の学生手帳を裕司の前の机に
  ポンと投げる。
友辺「(暗唱して)……西脇裕司、21才…
 …」
裕司「………(こわごわ手帳を手に取って見
 る)」
友辺「東院大学経済学部3年。住所は足立区
 北千住……」
  裕司、ぎこちない手つきで手帳のページ
  をめくり、自分の顔写真に見入る。
友辺「………」
 

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46766123.html

 

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2007年4月 7日 (土)

「無意識の彷徨」 (3)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46579724.html からの続き)

○河川敷近くの路上/夜

  パトカーがゆっくり走っている。
  助手席に友辺、運転席に警官。
  前方に裕司がうずくまっている。
  友辺と警官、それを認める。
  パトカーを裕司に近づけ、友辺,警官、
  降りてくる。
友辺「(裕司を覗き込み)もしもし、どうし
 ましたか?(裕司の体を軽く揺する)」
  動かない裕司。
  警官が裕司の体を懐中電灯で照らす。
  Tシャツに真っ赤な血。
警官「どうしたんです? これは」
  小さなうめき声を上げる裕司。
  友辺のほうに虚ろな顔を向ける。
  裕司の視線は宙を漂っているかのようで
  ある。
  額に傷痕がある。
  それを確認する友辺。
  警官、懐中電灯で裕司の顔を照らす。
  光が裕司の目に当たる。
裕司「(光に激しく驚き)ぅあッ……!?」
  顔を上げた裕司の目に、パトカーの赤い
  ランプの点滅が飛び込んでくる。
裕司「ああ~~………!!(ひどく怯えて逃げ
 だす)」
友辺「待て!」
  友辺,警官、裕司を抑えようとする。
裕司「わあぁ~~……!!」
  錯乱して友辺の腕を振り払う裕司。
友辺「おとなしくしろ!」
  死に物狂いの裕司、やたらに手を振り回
  し一発が友辺の顔を見舞う。
友辺「く……ッ!」
  友辺、裕司を組み伏せる。
  手錠を取り出して素早く裕司の腕にガチ
  ャリと掛ける友辺。
友辺「公務執行妨害だ……!」
  痙攣するように震えている裕司。
 

○警察署・外景/翌朝
  

○同・正面入口

  なつみが出勤してくる。
なつみ「(警備の警官に)おはようございま
 す(笑顔)」
  敬礼して返す警官。
  なつみ、入っていく。
  

○同・廊下

  なつみ、すれ違う顔見知りの職員に軽く
  笑顔で会釈しながら歩いていく。
掃除のおばさん「やあ、おはよう、女刑事さ
 ん」
なつみ「おばさん、あたし刑事じゃないって
 ば。何回言ったら分かってくれるの?(
 笑)」
おばさん「あ、先生だっけ?  ま、似たよう
 なもんでしょ?(あっけらかんと笑う)」
なつみ「先生でもないんだけどなぁ・……
 (苦笑)」

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46646983.html

 

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2007年4月 6日 (金)

「無意識の彷徨」(2)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46546835.html からの続き)

○走るパトカーのサイレン
 

○民間の駐車場

  傷害事件の現場。
  停車したパトカーと救急車の赤いランプ
  が闇夜にきらめく。
  友辺,田所の姿も見える。
  警官たちが辺りを調べている。
  救急隊員が怪我した中年サラリーマンを
  担架で救急車に運び込む。
田所「(被害者を横目で見送り)オヤジ狩り
 か……酔っぱらい狙いの強盗だな」
  友辺、メモを取りながら目撃者のOLに
  聴取している。
OL「(興奮気味に)3人くらいであの人
 (被害者のほうを指さし)を襲ってたんで
 す……殴ったり蹴ったり……!」
友辺「犯人の年格好は?」
OL「……二十歳くらいで……そう、ゴーグ
 ルをかけてる人がいました……」
  手帳に書き込む友辺。
  赤く瞬くランプ。
 

○なつみのマンション・寝室

  パジャマに着替えているなつみ。
  電話が鳴る。
なつみ「(受話器を取る)麻生です」
友辺の声『俺、友辺。悪い悪い、さっきは。
 田所さんにいきなり電話切られて』
なつみ「(電話機を持ってベッドに座る)そ
 うじゃないかと思った(苦笑)」
友辺『あのあと何ともなかったか?』
なつみ「うん、大丈夫。事件?」

○事件現場

  携帯電話をかけている友辺。
友辺「河川敷の近くで傷害があったんだ。な
 つみが見た男、服に血が付いてたっていう、
 何か関係があるかもしれない。どっちの方
 向から走って来た?」
なつみ『線路の北の方』

○なつみの寝室

友辺『男の特徴は?』
なつみ「(寝ころんで)ええと……二十歳く
 らいで……Tシャツにジーパン……」

○インサート

  車窓の光に照らしだされた裕司の顔。

○なつみの寝室

なつみ「あ……額に傷痕があったと思う、小
 さいけど……」

○事件現場

友辺「(メモしながら)そうか、細かいとこ
 までよく見てたな。一応合格点だ(笑)」
 

○なつみの寝室

なつみ「刑事の相方として? おあいにく、
 あたしはあたしですから(笑み)」
  
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46599520.html

 

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2007年4月 5日 (木)

「無意識の彷徨」(1)

 
 昔、某シナリオコンクールに応募した シナリオを連載します。
 臨床心理士を主人公にした話です。

------------------------------

登場人物

 麻生  なつみ(29才・臨床心理士)
 友辺  孝浩(34才・刑事・なつみの恋人)
 西脇  裕司(21才・学生)
 田所  克夫(49才・刑事)

 西脇  則子(34才・裕司の母・故人)
 岡本  和信(56才・裕司の伯父)
 岡本  俊子(52才・裕司の伯母)

   *   *   *

○河川敷上の路/夜

  帰宅途中のなつみ。
  辺りに人けはない。
  前方に鉄道の高架橋。
  その下の暗がりから、よろよろと走って
  くる人影が現れる。
  男(裕司)は茫然と我を失ったようであ
  る。
なつみ「?………(訝る)」
  裕司が近づいてくると、Tシャツが真っ
  赤な血に染まっているのが見える。
なつみ「!?……(驚)」
  一瞬ひるむなつみ。
  裕司、なつみの目の前まで来る。
なつみ「(裕司を止めるように)……どうし
 たんですか……!?」
  そのとき高架橋を電車が轟音を立てて通
  過する。
  電車の車窓の明かりに照らしだされた裕
  司の顔が、一瞬なつみの目に飛び込んで
  くる。
  裕司の額には小さな古い傷痕がある。
  電車の音と光に驚いて反応する裕司。
裕司「わあ……!!(思わずなつみを突き飛ば
 す)」
なつみ「あ……!(道端に倒れる)」
  裕司、頭を抱えるようにしてよろよろと
  走り去る。
なつみ「待って……!(立ち上がろうとす
 る)あ、痛……!!(足首に痛みが走り再び
 うずくまる)」
  なつみは突き飛ばされたときに軽く足を
  痛めたようだ。
  裕司の姿が闇に消えていく。
なつみ「………」
  

○警察署・捜査一課

  デスクで新聞を読んでいる友辺の携帯電
  話が鳴る。
  携帯電話を取る友辺。
友辺「はい、友辺です……ああ、なつみ(顔
 がほころぶ)」
  隣の席の田所がじろりと視線を送る。

○路上

  足をさすりながら携帯電話で話している
  なつみ。
なつみ「友辺さん、今ね、不審な男の人とぶ
 つかったの……服が血で汚れてて……よろ
 よろと走り去っていってしまったんだけど
 ……」
友辺『なつみ、怪我は?  今どこだ?』
なつみ「大丈夫……河川敷の線路の下だけど
 ……」

○警察署・捜査一課

友辺「迎えに行こうか?」
なつみ『あたしは心配ない……それよりその
 人の様子がおかしくて……』
  田所の電話が鳴り、受話器を取る田所。
田所「捜査一課……」
友辺「(なつみに)どんな男だった?」
なつみ『うん……何か茫然としたような感じ
 で……』
友辺「負傷してたのか?」
  田所、受話器を切り、いきなり友辺の腕
  を掴んで立ち上がらせる。
田所「行くぞ、事件だ!」
友辺「(驚いて)田所さん……!?」
田所「のんびり女と話してる場合じゃない!
 (友辺の携帯のスイッチを切ってしまう)」
友辺「あ……!?」
  田所に無理やり連れられていく友辺。

○路上

なつみ「(いきなり切れて)?……」
  溜め息をついて電話を切るなつみ。
  
(続く)

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46579724.html

 

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2006年12月20日 (水)

エピローグ

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43391733.html からの続き)

 身体障害者,がんの告知,ハンセン氏病,エイズなど……、

 かつて タブー視されていたものが、

 次第にオープンにされ 偏見が取り除かれつつある。

 今や 精神障害者の番である。

 精神障害者の人権を守ろうという マスコミの配慮が 逆に、

 今まで 彼らの存在を覆い隠し、偏見を 生んでしまったのかもしれない。

 精神障害者の移送という、一見スキャンダラスにも 見えそうな仕事を、

 決して 際物として捉えるのではなく、

 人の心の絆を見つめなおす きっかけとしたい。
 

 少年の凶悪事件が続発し、引きこもりの若者が増え、

 家庭が崩壊していると 言われる現代、

 家族のあり方という 今日的な問題が 立ち表れる。

 物質的豊かさを求めて 盲進してきた 20世紀後半だが、

 その結果 人間性が疎外されてきてしまった。

 人間の幸せとは? 

 生きる意味, 目的とは……? 

 新しい世紀を迎えて、我々はそれを 問いなおすときが

 来ているのではないだろうか。

(以上)
 

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2006年12月19日 (火)

精神障害者に対する 社会の理解とサポートを (2)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43359978.html からの続き)

 今日もまた 精神障害者に関する 悲しいニュースが報じられる。

 そのたびに 押川氏は思う。

 一般に 精神障害者たちは 優しく繊細で、

 物事をごまかせずに 真面目に生きている人が多い。

「決して 嘘をつかない人たち」。

 押川氏は 彼らのことを そう言う。

 精神障害者の本当の姿を もっと身近に知り、

 普通の人たちとして 付き合っていくことが望まれる。

 彼らの発する サインを受け止め、

 必要なときには 適切な医療に 結びつけられるように しなければならない。

 もしも 精神障害者が事件などを 起こすことがあるとしたら、

 それは 彼らのことを知らずに 敬遠してきた 我々社会全体の責任だ。

 引きこもりや 自傷他害などの行為は、

 救いの手を求める 彼らの必死の叫びなのだと、押川氏は訴える。
 
 

 押川氏によって 医療に繋がり、退院後も 彼と関わりを 続けている家族もある。

 押川氏の目的は 患者を病院に 連れていくことではない。

 患者と家族が 絆を取り戻すことなのだ。

 かつて 患者が幻聴や幻覚に 苦しめられたことさえ、

 笑って話せる関係が そこにはできあがる。

 それが 彼が求めている 本来の人間の姿なのである。

 そんな 押川氏たちの笑顔がまぶしい。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43425852.html

 

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2006年12月18日 (月)

精神障害者に対する 社会の理解とサポートを (1)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43326786.html からの続き)

 押川氏が 移送に関われる患者は、

 それを必要としている人たちの 氷山の一角に過ぎない。

 行き場もなく 困惑している 精神障害者や家族は、

 実は 目に見えない所に あふれるほど存在している。

 自らを傷つけたり 事件を起こす寸前の、

 一刻の猶予もできない状況で 患者と家族はあえいでいる。

 しかし 多くの精神障害者の家族は、移送業の存在さえ知らない。

 また、細い糸をたぐるようにして 押川氏のもとを訪れても、

 ヒヤリングの結果 条件が整わず、

 移送の契約にまで 至らなかったケースが 圧倒的に多い。

 事務所に山積みされた 実現できなかったファイルを見ながら、押川氏はそう語る。

 精神障害者と家族の 切羽詰まった現状を理解し、もっと受け皿が増え、

 患者と家族を サポートする体制が 整ってほしいと、彼は切望している。

 1999年の 精神保健福祉法 改正により、移送が法律的に 明文化された。

 また、2002年4月には 精神障害者 居宅生活 支援事業が 施行される。

 そうした状況を 踏まえて押川氏は、

 行政や企業に向けて 移送のコンサルティングも 精力的に行なっているのである。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43391733.html

 

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2006年12月17日 (日)

精神障害者の心をつかむ 説得術 (2)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43307536.html からの続き)

 押川氏の 説得のノウハウは 全く独自のものだ。

 彼は 心理学や精神医療の 専門的な勉強をしたことはないという。

 学問的な知識や マニュアルではなく、幾多の現場を踏んだ 経験から培った勘と、

 研ぎ澄まされた感性で 患者の心に入り込む。

 ヒヤリングを通して 患者が何をしてほしいのかを読み取り、

 それをぶつけることによって 一気に患者の心をつかむのだ。

 一般に 心理の専門職は、時間をかけて 患者を受容することによって 理解していく。

 しかし 押川氏の場合は それとは逆に、

 彼の熱い想いを 患者のほうが理解するのである。

 感情をぶつけることを恐れず、ときには 声を荒らげることもあるが、

 患者を好きなんだ という押川氏の本心が 相手には伝わっていく。

 今まで 誰からも置き去りにされてきた 精神障害者たちは、

 本気で体当たりしてきてくれることを 内心望んでいるのだろう。

 最後は言葉ではない。

 彼らのSOSのメッセージを 全身で受け止めるのだ。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43359978.html

 

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2006年12月16日 (土)

精神障害者の心をつかむ 説得術 (1)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43269747.html からの続き)

 押川氏は タイミングを計って、いよいよ 精神障害者本人と直接会い、

 説得する作業が始まる。

 彼は一人の人間として、精神障害者と対等の立場で 友達になっていく。

 誰にも物おじせず近づける、彼ならではの 率直で巧みな話術。

「いま 助けに行きますからね。

 ちょっと待っててくださいね」

 部屋に引きこもって 誰も入れない若い患者に、押川氏は声をかける。

 寄ってたかって 病院へ行けと言われる 患者に対しては、

「助けにいく」 という言葉が 一番心に届く。

「お前ら、殺してやる!」

 獣のような形相で ナイフを突きつける 患者に対しても、

 押川氏は 少しもひるまない。

「いいから ちょっと座ろうよ。

 私たちは あなたを捕まえようとしてる わけじゃありません。

 あなたの話も きちんと聞きます」

 彼が 床に腰を下ろして 患者の眼を見つめると、

 相手も 気持ちが落ち着いてくる。

 時には 猥談に花を咲かせて、患者の心に 入っていくこともある。

「皆 あんたのことが 好きなんだよ!

  本気で心配してるんだよ!」

 押川氏は必死で 自分の想いをぶつけるのだ。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43326786.html

 

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2006年12月15日 (金)

移送の依頼から、精神障害者と会うまで (2)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43244296.html からの続き)

 親分肌の押川氏は 社員に対する指導も 手厳しいが、何よりも人材を大事にしている。

 スタッフは リストをもとに、移送先の病院に 片っ端から電話をかける。

 しかし 入院先を確保するのは 困難を極める。

 病院側は、難しい患者を受け入れて 事件を起こされては

 責任が取れない と言うのだ。

 一方 警察は、事件を起こすまで 立ち入れないと言う。

「事件を起こして 措置入院させればいい」

 と言う あり様である。

 そうならないよう 病院で治療するべきなのに 本末転倒だ。

 保健所などの 行政も腰が重い。

 家族も 世間体ばかり考えて、患者のことを隠したり、

 厄介者払いのために 入院させようとすることが 少なくない。

 そしてマスコミも、精神障害者の問題は

 人権が絡むための 批判を恐れて 触れたがらない。

 皆が 精神障害者の抱える問題から 逃げている、と押川氏は訴える。

 彼は、入院の必要を認めない病院に 患者のビデオを見せて、

 症状の深刻さを 証明することもある。

 周囲が 精神障害者の現状を もっと理解し、受け入れ体制があれば、

 早期発見 早期治療ができ、問題を深刻化させなくてすむのだ。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43307536.html

 

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2006年12月14日 (木)

移送の依頼から、精神障害者と会うまで (1)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43215574.html からの続き)

[ 以下、精神障害者移送の現場を モデルケースとして紹介する。]

 トキワ警備の 電話が鳴る。

 部屋に引きこもったきりの息子を 病院に連れて行ってほしいという、

 家族からの依頼だ。

 患者を医療に繋げるのが 押川氏の仕事である。
 

 精神障害者の入院には 3種類ある。

 本人の意志で入院する 「任意入院」。

 入院の必要性に 本人が応じない場合、

 保護者の同意で 入院させる 「医療保護入院」。

 自分や他人を 傷つける恐れがある患者を、本人や家族の 同意を必要とせず

 強制的に入院させる 「措置入院」。

 押川氏は 依頼を受けて、任意入院 または 医療保護入院に持っていくのである。
 

 患者は 30代が一番多く、難しいケースも多い。

 押川氏は 事前に家族から 丹念な聞き取り調査 (ヒヤリング) を行う。

 患者の状態や性格、 周囲の環境、 家族の本音などを あぶり出すのだ。

 患者の症状や言動を ビデオに収めて分析したり、

 準備には 数週間以上もかけることもある。

 患者と家族のことを 十二分に理解しなければ、

 何が起こるか分からない 一発勝負の説得は 成功しないのだ。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43269747.html

 

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2006年12月13日 (水)

猥雑な人たちが好きな 押川氏

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43175961.html からの続き)

 競馬場。

 疾走するサラブレッド、興奮の るつぼと化した歓衆。

 その中に、いかつい一人の男 -- 押川剛。

 それなりの社会的地位が あるであろう男たちが、

 感情をむき出しに叫んで レースにのめり込んでいる。

 押川氏は そんな人間たちが好きだ。

 誰にでも親しみを持ち、喜怒哀楽を共にする 押川氏。
 

 夜のバーで、押川氏は ホステスの相談相手に なったりしている。

 彼は 何となく薄汚れた 人たちが集まる、危なっかしい場所が 好きなのだ。

 人間への こよない興味と愛情を、彼は 常に持っている。

 人間の心というものの 不可思議さに引かれ、

 心が壊れかかってる 人を見ると、

 どうして そうなってしまったのか、相手が 何をどうしてほしいと 望んでいるのか、

 とことん 知りたいと思ってしまう。

 押川氏が 精神障害者と関わる原点だ。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43244296.html

 

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2006年12月12日 (火)

コンビンサー 企画意図(4)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43132520.html からの続き)

 押川氏は 主に障害者の家族から 移送の依頼を受けるが、

 常に 障害者本人のことを 第一に考える。

 そのために 押川氏は、依頼を受けてから 患者本人に会う前に、

 徹底的に 家族にヒアリングをして 患者の事情を把握し、

 家庭の裏に潜む 問題までもあぶりだす。

 問題は 障害者本人にではなく 家族のほうにある場合も多い。

 家族は 世間体を気にして、

 障害者を 厄介者払いするために 入院させようとすることも 少なくないのだ。

 家族が 自己のために移送を望んでいる と分かった場合は、

 押川氏は 自分ができることの 限界に悩みながらも、依頼を断ることもある。

 患者を助けたいという目標で 家族と心をひとつにできたとき、

 移送は半分成功した と言っていいという。
 

 精神障害者の家庭は 問題を抱えている場合が多く、

 その歪みが 家族の中の 一番弱い人に表れて、

 障害者を作ってしまった と言える。

 押川氏は 家族がもう一度 向き合う努力をしてほしい と訴える。

 そして 頑張っても どうしても駄目だったときに、

 自分たちが 力を貸したいのだと。

 押川氏は 家族の絆が蘇ることが 最終の目的だと強調する。

 決して 障害者を病院へ入れて 終わりなのではない。

 患者が退院して 家庭に戻ってきたときに、

 コミュニケイションの持てる 居場所があることが 最も大切なのだ。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43215574.html

 

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2006年12月11日 (月)

コンビンサー 企画意図(3)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43101088.html からの続き)

 従来 この仕事は 「搬送」 と呼ぶことが多く、

 主に 警備会社やタクシー会社が 精神障害者を す巻きにしたり 手錠をかけたり、

 全くの水面下で 行なってきた。

 押川氏は それに強い疑問を持ち、 精神障害者の 人権を守るため、

 言葉だけで 患者を説得してきた。

 精神障害者移送に対する 周囲の誤解と 批判が渦まくなか、

 押川氏は 移送を積み重ねてきた。

 1999年、 精神保健福祉法が改正され、

 精神障害者移送が 法的に位置づけられるようになった。

 押川氏の実績が 認められ始めたのだ。

 誰もが不可能と言われたことを、情熱と行動力で 徐々に可能にしてきた。

 彼の エネルギッシュな生き様は 我々に活力を与え、

 人との関わりが 薄くなった現代人に、

 人間らしい触れ合いを 思い起こさせてくれるだろう。
 

 心の病は、決して異常なことでも 隠すべきことでもない。

 誰にでも起こりうる、普通の病気と 同じなのだ。

 そういう情報が 表に出ないために、患者や家族は

 自分たちだけが おかしいのだと悩み、恥ずかしいこととして 抱え込んでしまう。

 そのため病状が悪化し、自分や人を 傷つける結果に なってしまうこともある。

 そして 精神障害者は恐いという イメージを生む悪循環となる。

 押川氏は 「早期発見 早期治療」 が重要だと強調する。

 患者たちは 必ずサインを発している。

 彼らと どう接したらいいのか、それを分かち合うためにも、

 精神障害の ありのままの姿を タブー視せずに広く伝え、

 彼らと付き合っていくことが 大切である。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43175961.html

 

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2006年12月10日 (日)

コンビンサー 企画意図(2)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43069391.html からの続き)

 「精神障害者 = 怖い, 危険, おぞましい」

 「移送 = 患者を押さえつけ 縛って無理やり運ぶ」

 というイメージを払拭しようと 押川氏は奮闘している。

 心を開いて 精神障害者と同じ立場に立って 話し合えば、

 刃物を振り回す相手でも きっと分かってくれる と言う押川氏は、

 今までに 600人の障害者を 移送してきた実績のなかで、

 ひとつの事故も 起こしていないという。
 

 押川氏は 全身全霊をかけて 精神障害者と向かい合う。

 仕事を終えた後は 精根使い果たし、言語障害のような 状態に陥るという。

 時には 身体や生命の危険に さらされることもある。

 それでも この仕事を続けているのは、

 ひたすら 押川氏が 人間というものを好きだからだろう。

 昔は不良だったという彼は、生身の、丸出しの人間が好きだ。

 精神障害者は 決して嘘をついたり 人を欺いたりしないと、 押川氏は言う。

 彼らは あまりに純粋で 真正直に生きているゆえに、

 苦しんで 心が壊れてしまうのだ。

 そんな、傷つき病んでいる人が 押川氏は好きなのである。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43132520.html

 

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2006年12月 9日 (土)

コンビンサー 企画意図(1)

 
 「コンビンサー」 という仕事を 知っていますか? 

 精神障害者 移送サービス。

 入院が必要な精神障害者を 病院につなげる職業です。

 
 5年前に作成してボツになった ドキュメントの企画書を連載します。

 【 参考文献 「子供部屋に入れない親たち」 押川剛 (幻冬舎) 】

------------------------------------

 
 引きこもり、 うつ病による自殺、 精神障害者の凶悪事件……。

 昨今 メディアでも しばしば取り上げられる、

 心の病を 抱えた人たちに 関わる問題は、

 暗く 危険なイメージで 語られがちだ。

 4年間 部屋に閉じこもり、汚物と生ゴミの山の中で 暮らしている女性。

 締め切った家の中で 裸で母親に抱かれたまま 寝ている 40代の男性。

 家の中を 原形がとどめないほどに壊して 暴れまわる男性……。

 そんな患者たちを 目の当たりにしながら、

「私は 精神障害者が好きだ。」

 と 明言する男がいる。

 押川剛 (おしかわ つよし)、 33歳 (2001年 当時)。

 精神障害者は このような形でしか 自分の内面を表せないほど

 苦しんでいる人であり、 最も純粋な人, 決して嘘をつかない人だと

 押川氏は信じている。
 

 押川氏は、トキワ警備会社・トキワ精神保険事務所の 代表を務め、

 精神障害者移送業を 行なっている。

 精神障害者移送サービス という仕事は まだあまり知られていない。

 入院が必要なのに それを拒む 精神障害者を、

 説得して 病院まで同行し、医療につなぐ仕事である。

 またの名を 「コンビンサー」 。

 ただし、患者の首に縄を付けて行くなど、

 決して 強制的に 病院へ連れていくのではない。

 あくまで 本人の意思で 入院してもらうまで、押川氏は 患者とじっくり話し合う。

 「コンビンサー」 とは、 「納得させる人」 という意味なのだ。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43101088.html

 

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2006年11月17日 (金)

「車椅子社長・猛烈ケアビジネス」(14.最終回)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42320802.html からの続き)

 病院のベッドで 眠っている不動。

 包帯が痛々しい。

 不動が 意識を取り戻すと、美由,シンシア,啓輔が見守っている。

 道子も座っている。

 シンシアは 不動に抱きつき、啓輔は 頭を下げて礼を述べる。

 美由は 不動をすっかり見直して、今まで反発していたことを謝る。

 シンシアは、この人は自分の命を懸けても お客様を守る人だと話す。

 不動は、儲けさせてくれるお客を 死なせるわけにはいかないと うそぶく。

 微苦笑する美由。

 啓輔は 道子にも 不動に礼を言うよう促す。

 見ると、道子の手が 土で汚れている。

 さっきは道端で 何をしていたのかと 道子に尋ねる。

 道子は ごそごそと懐を探り、何かを持って 啓輔に差し出す。

 訝る啓輔。

 道子の手を開くと、中には 四葉のクローバが握られていた。

「これを探していたんですか?」

 と聞く美由。

 啓輔は驚く。

「まさか……俺が、泣いて 『元に戻して』 って言ったから……?」

 はっとする美由。

 啓輔は クローバを受け取って 道子を抱き締める。

「お袋……今のままでいいよ。

 もう どこへも行かないで、ただ、いてくれるだけでいい……!!」

 胸が一杯になる 美由たち。
 

 美由は 不動の車椅子を押して、病院の庭を散歩する。

 啓輔が 介護福祉士学校へ通うことにしたそうだと、不動に話す。

 啓輔は経験を生かして、将来は 人の役に立ちたいという。

 啓輔は 新しい生き甲斐を見つけて 生き生きしてきた。

 人間はどんなときでも 頑張っていけるということを、

 啓輔は 不動から学んだという。

 美由も 不動から大事なことを 教えてもらった。

 ビジネスは 決してクールなものではない。

 ビジネスには 理念が必要だ。

 理念とは、人の心なんだと。

 不動は 怪我が治るまで、美由に 身辺の世話を命ずる。

「たっぷり こき使ってやる。

 これから楽しみだ」

 と 薄ら笑いをする不動。

 美由は ぞっと身震いするのだった。

(終)
 

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2006年11月16日 (木)

「車椅子社長・猛烈ケアビジネス」(13)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42297647.html  からの続き)

 翌日の早朝。

 啓輔は 道子の姿が 見えないことに気付き、慌てて 周囲を探し回る。

 そのころ不動は 競技用車椅子で 朝のトレーニング中。

 美由から不動に 携帯電話がかかってくる。

 美由は、道子が行方不明だという 連絡があったことを告げる。

 道子を探しに行かせて欲しいと 頼む美由。

 不動は、それはサービス一覧にはない と言う。

 怒って食いつく美由に、不動は言い放つ。

「だから、無料だ!」

 不動は携帯を切って、車椅子を走らせる。

 出社まで時間があることを確かめると、啓輔の家の方向へ行ってみる。

 その間、美由や啓輔たちも 必死で道子を探している。

 不動は 辺りを探しながら走る。

 やがて、道端で老婆が しゃがんでいるのを見つける。

 道子だ。

 不動は 安堵の笑みを浮かべて、道子に近づいていく。

 そこに 美由もやってくる。

 道子が ふらふらと歩きはじめたとき、

 後方から バイクのエンジン音が響く。

 バイクは左右に傾きながら、道子のほうへ走っていく。

 酔っぱらい運転か!? 

 不動は急いで 道子のほうへ走る。

 バイクが蛇行して 道子は轢かれそうになる。

 悲鳴を上げる美由。

 不動は思い切って 車椅子でバイクに突進する。

 バイクは 車椅子のバンパーに激突し、横滑りになって 火花を散らす。

 間一髪で助かる道子。

 車椅子は吹っ飛ばされ、不動は投げ出される。

 泣き叫ぶ美由。

 血吹雪が散り、不動は意識を失う。

(続く)
 

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2006年11月15日 (水)

「車椅子社長・猛烈ケアビジネス」(12)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42254546.html からの続き)

 ある日、啓輔と美由は、道子の車椅子を押して 散歩に出る。

 今日は これも契約だ。

 料金をもらうことを 恐縮する美由だが、

 啓輔は 美由を買ったのだから 付き合ってもらうと笑う。

 道子は ほんのりとお化粧をしている。

 歳をとっても お化粧くらいするのは 当たり前だと、美由が勧めたのだ。

 桜の花びらが 舞い散る下、啓輔は 道子をおんぶしてみる。

「戯れに  母を背負いて……」

 すっかり か細く 軽くなってしまった 道子。

 啓輔は このまま、いつまでも、どこまでも、

 歩いていきたい と思った。

 啓輔は ぽつぽつと語る。

「お袋が倒れてから 1年余りは、

 夢に出てくるお袋は 病気になる前の 元気な姿だった。

 その後次第に、車椅子に座ったお袋が 夢に出てくるようになった。

 それも 穏やかな表情で」

 美由は 

「ありのままのお母さんを 受け入れられるように なったんですね」

 と言う。

 微苦笑して 頷く啓輔。

「……でも この前、夢のなかのお袋は 病気が治っていた……」

 啓輔の目から 涙がこぼれる。

「お袋が元気なときには、何も親孝行ができなかった……

 もし、神様がいるんなら、一日でもいい、

 奇跡を起こして、お袋を 元気な姿にしてほしい……」

 美由は 啓輔の本音を聞いて 胸が詰まる。

「お袋を、元に戻してほしい……!

  そしたら、死ぬほど 親孝行します……!

  元に戻して……!!」

 道子の手を握り、涙を堪える 啓輔。

 美由は 啓輔を労る。

「泣きたいときは 泣いてください。

 涙はそのために あるんだから」

 美由の目にも 涙が溢れる。

 道子を抱き、声を出して泣く 啓輔。

「啓輔……」

 と 小さく呟く道子。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42320802.html

 

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2006年11月14日 (火)

「車椅子社長・猛烈ケアビジネス」(11)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42225841.html からの続き)

 日曜日。

 体育館で、車椅子に乗った 障害者アスリート達の

 ラグビーが 繰り広げられている。

 観客席で 驚いて見ている 美由と啓輔。

 「ウィルチェアー・ラグビー大会」 という 横断幕がかかっている。

 選手たちは素早い動きで、ボールを 前後左右にドリブルしたり、パスしたりする。

 不動は 強力なオフェンスとして、装甲車のような バンパーが付いた車椅子で、

 相手に 強烈な体当たりを食らわせる。

 ウィルチェアー・ラグビーは、以前は 「マーダー(殺人)ボール」 と言われたほど

 激しい格闘技なのだと、シンシアは 美由と啓輔に説明する。

 不動の隆々たる筋肉に 汗がほとばしる。

 目が釘付けになる 美由。

 シンシアは 子供のようにはしゃいで 不動たちを応援する。

 美由と啓輔も 次第に高揚していく。

 障害者なのに こんなことまでできるとは。

 シンシアは、障害者だからできるんだ と笑う。

 不動の活躍により、試合は 不動のチームが 優勝を勝ち取る。

 飛び上がって 喜ぶシンシア。

 美由,啓輔も 不動たちの姿に 心から感動する。
 

 帰り道、シンシアは 不動のことを話す。

 不動は元々、チェーンの飲食店を経営する 猛烈な商売人だった。

 シンシアは従業員として 不動と知り合い、その後 結婚した。

 不動は 学生時代から ラグビーをしていたが (顔の傷も ラグビーでできた)、

 試合中に 大怪我を負って 下半身麻痺になった。

 不動は 全てに絶望して、シンシアにも当たり散らし、自殺も考えた。

 しかし 次第に立ち直っていき、

 自分にしか できないことはないかと 考えるようになった。

 そして、障害者や高齢者の 介護ビジネスを思いついた。

 人間は どんなに困難な状況になっても、理想を持って 頑張れるのだと、

 今の不動は 信じているという。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42297647.html

 

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2006年11月13日 (月)

「車椅子社長・猛烈ケアビジネス」(10)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42179306.html からの続き)

 野々山宅へ 訪問に来た 美由とシンシアに、

 啓輔は 心から礼を述べる。

 啓輔は 介護に対して 暗いイメージしかなかったが、

 元気が出る介護が できるようになった。

 似合わぬエプロン姿で 一生懸命 道子の世話をする啓輔に、

 美由は 微笑ましいものを感じる。

 バケツをひっくり返したり、料理の鍋を 焦がしたりしながらも、

 啓輔は笑って 道子の世話を焼く。

 啓輔は 最近、道子と穏やかなときを 共有するようになったと言う。

 ただ 並んで 座っているだけだが、

 今まで こんなふうに 母の顔を じっくり見たこともなかった。

 シンシアは、それは 家族に与えられた 「とき」 なのだと言う。

 それを 大切にしてほしいと。

 啓輔は 庭を見ながら 幼稚園のときのことを 思い出す。

 昔 ここで お袋と一緒に 四葉のクローバを探した。

 狭い庭で やっと見つけた 四葉のクローバを、

 啓輔は 近所の友達に見せて回った。

 そのうち クローバの取り合いになり、葉っぱが千切れてしまう。

 啓輔は泣きじゃくって 家に帰り、

「元に戻して!」

 と母に泣きすがった。

 母は 千切れたものは 戻らないんだよ と静かに言い、

 悲しむ啓輔を いつまでも抱いて 一緒にいてくれた。

 啓輔は そのまま母の胸で 眠ってしまった……。

 昔は そんな 「とき」 があったんだなあ と、啓輔は感慨にふける。

 美由は 啓輔と道子を見て、逆に 自分のほうが 心が癒される。

 やっぱり この仕事をやっていきたいと、美由は思い直す。

 シンシアは 美由と啓輔に、今度の日曜日、

 リフレッシュするために 社長の試合を 応援に行こうと誘う。

 「試合?」

 美由と啓輔は 意味が分からない。

(続く)
 

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2006年11月12日 (日)

「車椅子社長・猛烈ケアビジネス」(9)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42148337.html からの続き)

 ある日の 野々山宅。

 道子が下半身裸で、おむつを抱えて 庭をウロウロしている。

 啓輔は 頭に血が上るが、

「お母さんのすることには 必ず意味がある」

 という 美由の言葉を思い出し、一息ついて考える。

 道子は 粗相(そそう)をして、それを知られたくなくて、

 おむつを隠そうと しているのではないか?

 道子にもプライドがある。

 啓輔は 道子の腰を 自分の上着で被って、道子に耳打ちする。

「年を取れば、たまには チョロッと漏れるくらい 誰でもあるよ。

 実はな、内緒だぞ、俺も ときどき漏らすんだ」

 道子は

「なんだ、お前もか」

 と安心する。

 啓輔は 道子を風呂に入れて 体を洗う。

 細くなった道子の背中を 流していると、道子は

「ありがとう……」

 と呟いて 微笑みを見せる。

 驚く啓輔。

 道子が こんな豊かな表情を見せたのは、発病してから 初めてのことだ。

 啓輔の態度が 変わることによって、道子の気持ちも落ち着き、

 いわゆる痴呆の “問題行動” が少なくなった。

 “問題行動” を作っていたのは 道子ではなく、実は 啓輔のほうだった。

 道子は困惑して 心と行動が 乱れていただけだったのだ。

 道子の気持ちを理解せず、どんなに傷つけていたか。

 道子に深く詫びる 啓輔。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42225841.html

 

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2006年11月11日 (土)

「車椅子社長・猛烈ケアビジネス」(8)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42124828.html からの続き)

 美由は 終日、不動のトイレ介助や 身の周りの世話をする。

 しかし 尊大な不動は ありがとうの一言もない。

「俺は お前に給料を払って 修行をさせてやっているんだ」

 と言う不動。

 美由は、

「私が行けば 啓輔はとても喜んでくれる。

 ありがとうの一言が お金よりありがたい」

 と口を滑らせる。

 不動は、美由が 契約外のサービスを 続けていることを察して 激怒する。

 美由も つい逆ギレして、

「私は もっと普通の お年寄りや障害者の人の お世話をしたい」

 と不満を述べる。

「普通の?」

 と突っ込む不動。

 美由は 痛いところを突かれ、はっとする。

「 “普通の” 障害者は 心が優しいか?

 障害者は 頭を下げながら 生きていくか?

 強欲で 威張った人間は “障害者らしくない” ってか?」

 美由は 頭をハンマーで叩かれたような ショックを受ける。

 美由は 心の中に、

「弱い障害者を 助けてあげることで 満足している」

 という意識が あったのではないかと 気付かされる。

 不動は

「貴様のような奴に 障害者を介護する 資格はない!!

 障害者を 暮らしにくくしているのは 町の階段や段差じゃない、

 貴様の “心のバリア” だ!!」

 と 美由を恫喝する。

 美由は 返す言葉もなく、自己嫌悪の涙を流す。
 

 自分に 介護の仕事をする資格はない と落ち込む美由。

 シンシアが 美由に声をかける。

「皆、必ず一回は 社長にやられる。

 それを どう受け止めるか、あなたの宿題」

 シンシアの言葉を 噛みしめる美由。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42179306.html

 

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2006年11月10日 (金)

「車椅子社長・猛烈ケアビジネス」(7)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42090406.html からの続き)

 広い展示会場。

 今日は、SCSが開催する 介護機器の発表会だ。

 美由は 不動の付添いで 車椅子を押して参加する。

 フラワーで飾られたゲートを くぐると、

 ライトに照らされた会場は まるで、

 新車のモーターショーのような 華やかな雰囲気である。

 美由は 目を丸くして 周囲を見渡す。

 レースクウィーンのような女性が 来客に 会場や機器の説明をしている。

 見学に来た あるベンチャー企業の経営者は 目を輝かせて、

「介護の仕事は、たとえ儲からなくても 人に感謝してもらえる。

 それが 何より財産ですね」

 と語る。

 美由も 大いに頷いて同調する。

 ところが不動は、

「儲けられない会社は この業界から 足を洗ったほうがいい」

 と一喝する。

「儲けて 拡大再生産してこそ、より良いサービスを お客様に買ってもらえる」

 と。

 呆気に取られる経営者を 尻目に、

 不動は自ら、目と口だけで動かせるパソコンの 実演をして見せる。

 義足の展示ブースでは、エアロビクス姿の青年が 笑顔で装着を実演している。

 青年は 膝から下の足がない。

 レースクウィーン嬢が 装具の説明をする。

 青年は義足を着けると 壇上に登り、

 女性インストラクターとともに リズミカルにエアロビを踊りだす。

 驚いて見ている 観客たち。

 美由は、不動が商売のために 

 障害者をさらし物にしているのではないか と疑問を呈する。

 不動は、

「消費者の 購買欲をかき立てるのが ビジネスだ。

 そのためには 俺自身も人寄せパンダになる」

 と言ってのける。

「障害を逆手に取って?」

 と問う美由。

「それのどこが悪い?」

 と言って 憚らない不動。

「介護用入浴車も、俺が 自分の体で試しながら 開発を命じた。

 俺の体は 最高の実験台だ。」

 と不動は高笑いする。

 美由は、この人はどういうつもりなんだろう と呆れてしまう。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42148337.html

 

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2006年11月 9日 (木)

「車椅子社長・猛烈ケアビジネス」(6)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42057955.html からの続き)

 啓輔宅への訪問日。

 道子が 手にしたものを 美由にあげようとして 持ってくる。

「かわいい金魚でしょ」

 それは 何と 道子の大便だった。

 びっくりする美由。

 啓輔は 道子を怒鳴りつけるが、

 シンシアは 啓輔をやんわりと制する。

 シンシアは道子に

「かわいいですねー。

 でも かわいそうだから 水に返してあげましょう」

 と言って、水洗トイレに流す。

 感銘する美由。

「お母さんの言動には、必ず お母さんにとっての 意味があるんですね」

 と、シンシアは 啓輔に語る。

「介護は楽しまなくちゃ」

 というのが シンシアのモットーである。

 道子が 座布団カバーの縫い目を ほどこうとしている。

 美由は シンシアの言葉を思い出して、道子に言う。

「繕ってくれて ありがとうございます。

 これもお願いしますね」

 と、別の端切れを渡す。

 そんな 美由とシンシアの ケアによって、道子と啓輔は 落ち着きを取り戻す。

 啓輔は、死ぬ気になれば 何でもできるんだ思う。

 シンシアは啓輔に

「死ぬ気になんか ならないで。

 介護は ズボラにしないと続かない」

 とアドバイスする。

(続く)
 

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2006年11月 8日 (水)

「車椅子社長・猛烈ケアビジネス」(5)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42015032.html からの続き)

 その日の 巡回が終わる。

 美由は シンシアが止めるのを押し切って、一人で 啓輔の家に戻る。

 喜んで美由を迎える 啓輔。

 いつも一人で 人恋しかった啓輔は、美由の優しさに 涙を滲ませる。

 美由は 無理して来て 本当に良かったと思う。

 これが 自分がやっていきたいことなんだ と。
 

 美由が SCSに戻ると、不動は 烈火のごとく 美由を怒鳴りつける。

「商品のタダ売りをするな!」

 美由はびびりながらも 不動に食いつく。

 お年寄りのために、喜ばれるのが どうしていけないのかと。

 不動は

「タダ働きを増やしていくと、いずれ負担になって どこかにしわ寄せが行く。

 慈善は偽善だ」

 と切り捨てる。

 美由は、誰でも 公平に受けられるのが 福祉ではないかと 食い下がる。

「公平なバラマキ福祉が 財政を食いつぶした。

 民間企業は コストを考えて 経営努力する。

 介護は 競争の時代なんだ」

 と述べる不動。

「競争に 勝っても負けても、成功した人も 失敗した人も、

 無条件で受けられるのが 本当のケアだと思います」

 と言い募る美由。

「高邁な理想に 人は騙される。

 しかし 健全な利益があってこそ 次のサービスが 提供できる。

 それが お客様のためにもなる。

 儲けなくして 優しさは続かない。

 次からは 必ず追加料金をいただけ。」

 憤懣やる方ない 美由。

 美由はその後も 不動に隠れて、時間外に 啓輔の家へ行ったりする。

(続く)
 
「車椅子社長・猛烈ケアビジネス」(5)
 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42015032.html からの続き)

 その日の 巡回が終わる。

 美由は シンシアが止めるのを押し切って、一人で 啓輔の家に戻る。

 喜んで美由を迎える 啓輔。

 いつも一人で 人恋しかった啓輔は、美由の優しさに 涙を滲ませる。

 美由は 無理して来て 本当に良かったと思う。

 これが 自分がやっていきたいことなんだ と。
 

 美由が SCSに戻ると、不動は 烈火のごとく 美由を怒鳴りつける。

「商品のタダ売りをするな!」

 美由はびびりながらも 不動に食いつく。

 お年寄りのために、喜ばれるのが どうしていけないのかと。

 不動は

「タダ働きを増やしていくと、いずれ負担になって どこかにしわ寄せが行く。

 慈善は偽善だ」

 と切り捨てる。

 美由は、誰でも 公平に受けられるのが 福祉ではないかと 食い下がる。

「公平なバラマキ福祉が 財政を食いつぶした。

 民間企業は コストを考えて 経営努力する。

 介護は 競争の時代なんだ」

 と述べる不動。

「競争に 勝っても負けても、成功した人も 失敗した人も、

 無条件で受けられるのが 本当のケアだと思います」

 と言い募る美由。

「高邁な理想に 人は騙される。

 しかし 健全な利益があってこそ 次のサービスが 提供できる。

 それが お客様のためにもなる。

 儲けなくして 優しさは続かない。

 次からは 必ず追加料金をいただけ。」

 憤懣やる方ない 美由。

 美由はその後も 不動に隠れて、時間外に 啓輔の家へ行ったりする。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42090406.html

 

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2006年11月 7日 (火)

「車椅子社長・猛烈ケアビジネス」(4)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41986875.html からの続き)

 美由は、啓輔に 訪問看護サービスを提供することを 提案する。

 不動の部屋へ 報告に行くと、不動は 車椅子の前輪 (小さいタイヤ) を上げて、

 後輪だけで くるくる動き回ったり、ボールを ドリブルしたりしている。

 呆気に取られる 美由。

 美由に気付いた不動は、ボールを 美由の頭すれすれに 投げつける。

 美由は思わず 首をすくめる。

 不動は笑いながら

「練習だ」

 と言い、美由に 用件を尋ねる。

 美由が 啓輔のことを話すと、不動は 美由にパンフレットを渡す。

 SCSの サービスの種類と 料金の一覧表だ。

 介護保険で受けられる 最低限のサービスに加えて、

 入浴のとき どこまで洗うか、掃除は どこまでするかなど、

 実に事細かく 料金が決められている。

 唖然とする 美由。
 

 シンシアが啓輔に パンフレットの内容を 丁寧に説明し、

 啓輔は 家計と相談しながら サービスを決めていく。

 美由は あまりにビジネスライクな 契約の仕方に、大いに疑問を持つ。
 

 美由とシンシアが 啓輔の家へ 訪問介護に行く。

 啓輔は 道子のトイレの介助の 仕方も分からず、

 おむつを汚して 大変なことになっている。

 シンシアと美由は 優しく道子の介護をし、荒れた部屋の掃除や 食事の支度をする。

 啓輔は 初々しい美由を気に入り、

 美由は 啓輔の話し相手をしてあげたいと シンシアに申し出る。

 でもそれは 今日の契約に入っていないので

 追加料金を もらわなければならない、とシンシアは言う。

 納得がいかない美由。

 目の前に 困っている人がいるのに、放っておくのがケアなのか と。

 しかし 次の訪問先もあるので もう行かなければならない。

 後ろ髪を引かれる思いで 美由はその場を後にする。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42057955.html

 

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2006年11月 6日 (月)

「車椅子社長・猛烈ケアビジネス」(3)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41940371.html からの続き)

 美由とシンシアが 車で訪問介護の巡回中、日が暮れて 雨が振りだす。

 通りかかった公園の暗がりで、美由は 男が首を吊ろうとしているのを 見つける。

 慌てて車を飛び出し、男を止める美由。

 男は 野々山啓輔といった。

 シンシアは 啓輔を事務所へ連れて行く。
 

 SCSの事務所。

 美由とシンシアが 啓輔を介抱している。

 濡れた服を着替えさせ、熱いココアを注いで もてなす。

 啓輔は ココアの暖かさと 美由たちの優しさが 身に沁み、涙がこぼれる。

 久しく触れたことのない、人の心だった。

 啓輔は 事情を話す。
 

 4ヵ月前、啓輔は リストラに合って失業した。

 啓輔の妻は、元々 仕事で家庭を省みなかった啓輔に 嫌気がさしており、

 職を失って 脱け殻のようになった啓輔に 見切りをつけ、

 娘を連れて 家を出て行ってしまった。

 啓輔が 途方に暮れていた矢先、母親の道子が 脳出血で倒れ、

 左半身麻痺になってしまう。

 まだらぼけが出て、徘徊や失禁を繰り返し、

 訳の分からないことを言って 野々山を困らせる。

 啓輔は これから一体どうすればいいのか、目の前が真っ暗になる。

 こんなはずではなかった、 自分の人生は……。

 4ヶ月間、道子の介護に疲れ果て、

 啓輔は もはや 生きていく希望を失ってしまう。

 そして 首を吊ろうとしたところを 美由たちに救われたのだった。

「明けない夜はない なんてウソだ」

 と嘆く啓輔。

 シンシアは

「暮れない昼も ありませんよね」

 と語りかける。

 親身になって聞いてくれる 美由とシンシアに、

 啓輔は 心を許していく。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42015032.html

 

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2006年11月 5日 (日)

「車椅子社長・猛烈ケアビジネス」(2)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41907944.html からの続き)

  「お客様は神様」 というのは、利用者を何よりも大切にする

 という意味だと 美由は思っていた。

 しかし どうも話が違うようだ。

 美由は 不動に問いなおしてみる。

 不動は

「お客様は お金を落としていってくれるから 神様なんだ」

 と言う。

「利用者は お金を稼ぐ 道具だってことですか?

 そんなの福祉じゃない」

 と憤慨する美由。

 にやりと笑う不動。

「卒業したばかりのお前を 採用したのは何故だと思う?

  まだお前が 古い福祉の価値観に 凝り固まっていないからだ。

 これから俺が じっくり染めていってやる」。

 気色ばむ美由。
 
 

  今日は 美由が 訪問介護に行く日だ。

 シンシア,運転手の男性職員と一緒に 訪問先を巡回する。

 最初の予定は 訪問入浴サービスで、利用者は 寝たきりの女性。

 SCSの入浴サービスは 特別に開発した 介護用入浴車だ

(車椅子を 直接バスタブにドッキングさせる)。

 感心する美由に シンシアは、

 これは社長が発案したもの だと言う。

 ピッタリした短いTシャツに ショートパンツ姿のシンシアは、

 男性職員とともに 手慣れた様子で 作業を進める。

 美由も シンシアに指示を受けながら 一生懸命 手伝う。

 シンシアの的確なケアや、心のこもった声掛けに 感銘を受ける美由。

 利用者の女性は 久しぶりの入浴で 極楽気分を味わう。

 美由は やっぱりこの仕事を始めて 良かったと思う。
 

  ところが、SCSの入浴サービス料は 通常の料金よりも 相当に高かった。

 それを知って 美由はびっくりする。

 シンシアは、うちの入浴サービスは 他社より便利で快適なもので、

 利用者は充分満足しているから 暴利ではない、

 というのが 社長の考えだと説明する。

 美由は、お年寄りの弱みに付け込んでる と憤然とする。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41986875.html

 

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2006年11月 4日 (土)

「車椅子社長・猛烈ケアビジネス」(1)

 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41887700.html からの続き)

【登場人物】

倉橋  美由 (21才・介護福祉士)

不動  全次郎 (48才・介護会社社長)

シンシア (30才・フィリピン人・不動の妻・ケアマネージャー)

野々山 道子(77才・痴呆老人)

野々山 啓輔(46才・道子の息子)

  ----------------------------------

【プロット】

  在宅介護支援事業 「SCS (スペシャル・ケア・サービス)」 の

 入社試験 面接会場。

 リクルートスタイルに 身を固めた美由が、緊張気味に座っている。

  面接官は ケアマネージャーの シンシア。

 シンシアは 胸が開いたブラウスに タイトなスカート。

 やけに色っぽい。

「介護福祉士学校、卒業見込みですね」

 と言うシンシアに、美由は

「お年寄りが喜ぶ顔を 見るのが嬉しい。

 ハンディのある人の 役に立ちたい。」

 と はつらつと夢を語る。

「うちを選んだ理由は?」

 と問うシンシア。

 美由は

「就職情報誌に載っていた 御社の

 『要介護者はお客様。お客様は神様』 というコピーに 惹かれました」

 と答える。
 
 

  SCSに採用された 美由。

 不安と期待を抱いて 出勤初日を迎える。

 SCSの朝礼。

 20名余りの社員が 整然と並んでいる前に、社長の不動が 姿を現す。

 驚く美由。

 不動は大柄で 顔に傷があり、サングラスを掛けている。

 そして なんと車椅子に座っている。

 不動は 実に器用に、力強く車椅子を扱う。

 不動の 訓話が始まる。

「介護サービスは、施しの福祉でも 慈善事業でもない。

 利用者が お金を払って買う ビジネスだ。

 お客様のニーズに応える 商品を売る、それが 企業が生き残る道だ。

 介護ビジネスは 4兆円市場。

 宝を掘り起こせ!」

 檄(げき)を飛ばす不動。

 社員たちは 不動に続いて 全員で唱和する。

「利用者はお客様。 お客様は、神様です!」

 唖然とする美由。

「介護は商売。 サービスは これ商品!」

 全員 合掌する。

 壁には スタッフの “営業成績” のグラフまで貼ってある。

『介護が商品?』

 納得できない美由。

『こんな会社に 就職してよかったんだろうか……?』

 美由の胸に 不安がよぎる。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41940371.html

 

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2006年11月 3日 (金)

車椅子介護ビジネスのドラマ. プロット連載

 
 先日、映画 「マーダーボール」 の感想を書きました。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/40909003.html )

 障害者による 車椅子ラグビー (ウィルチェアラグビー) の、ノンフィクション映画でした。

 この ウィルチェアラグビーは、僕は以前 自分の作品に 書いたことがあり、

 個人的に若干 思い入れがありました。

 2時間ドラマの企画で、ボツになってしまった作品でしたが、

 車椅子に乗った社長が 繰り広げる 介護ビジネスの話で、

 実在の車椅子社長・春山満さんを モデルにしたフィクションです。

 
 こんな粗筋です。

 不動 全次郎は 介護サービス会社の社長。

 自らが 車椅子の生活です。

 「介護は商売」 と言い切って はばからず、

 「利用者はお客様。 お客様は神様。」 をモットーとしている 強者です。

 そこへ入社してきた 新米介護士の 倉橋 美由。

 お年寄りの役に立ちたいと 介護の理想に燃えている 美由ですが、

 あまりにビジネスライクで 不遜な不動に 反発します。

 しかし、次第に 自分の未熟さを知り、

 不動の 真の理念を 理解していきます。

 優しさだけでは 介護は続かない。

 利潤があってこそ 次のサービスを充実できる。

 絵に描いた餅や 精神論ではなく、

 本当に利用者のためになる 介護は何か ということを 描いていく話です。

 
 さて、そのプロットを ブログに掲載してみようかと思います。

 明日から 少しずつ連載していきますので、

 どうぞ ご覧になってみてください。m(_  _)m

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41907944.html

 

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